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久井の牛市 ~お祭り騒ぎの交易の場~ | |||||||
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![]() 門田 義道さん (久井町江木) 「江木地区には、競馬場もあったんですよ」 | 久井町で伝統的に開催されていた牛市は、当時の人々にとって、一年に何回かの盛大な催しでした。「牛市が始まると学校から走って帰るほど、お祭り気分でうきうきしていました。いつもは静かな農村に、突然たくさんの人や牛が集まりはじめ、稲生神社の参道には露天商が並びました。サーカスやへびつかい使いの見学など、めずらしい遊びがとても楽しかったです」と子どもの頃の想い出を語るのは、久井町江木に在住の門田義道さん。 門田さんの自宅は、ふだんは農家でしたが、牛市の開催時には、牛馬商の宿となっていました。市が始まる前の準備にも余念がなく、特別に料理を作ったり、障子や畳を新しくしたり、牛を入れるための仮設小屋を作ったり、多いときは、60~70人の牛馬商が泊まっていました。また牛は200頭ほどもいて、井戸の水がなくなってしまうこともありました。 「牛市は、多くの人と交流ができる機会でもありました。今は少子化の時代ですが、子ども同士の交流ができる機会を増やしてあげたいですね」と語ってくれました。 久井の牛市は、昭和30年頃に幕を閉じてしまいましたが、かつてのにぎわいを再現しようと平成11年より、久井ウッシッシ祭が開催されています。今年は第6回目で、10月15日に開催されます。 |