ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 ホーム > 三原市教育委員会 > 第3回三原市立学校適正配置検討懇話会

本文

第3回三原市立学校適正配置検討懇話会

記事ID:0001746 更新日:2014年2月17日更新

 「三原市立学校適正配置検討懇話会」の第3回会議が平成19年10月18日に開催されました。
 9月に実施した市民アンケートの集計内容を確認し,そこから読み取ることのできる市民の望む適正配置のありかたや懇話会としての考え方について,各委員からさまざまな意見が出されました。

第3回懇話会の概要

【議題】

(1)学校適正配置に関する市民アンケートの集計結果について(報告)

【事務局から説明】
 全3,000通のアンケート質問票を郵送したうち,1,470人から回答を得た。その結果が別紙のとおりである。

 (アンケート全体の結果から)

  • 学校規模については,小・中学校とも1学年2~3学級,1学級の規模は20~30人という意見の割合が多い。
  •  通学時間については,小・中学校とも30分程度を支持する意見が多いが,通学手段については,小学校は徒歩,中学校では自転車または徒歩とする意見が多く,自宅からあまり遠くない学校への通学を望む傾向が見られる。
  • また,学校の適正配置に関する意見については,複式学級になっても現行の配置を維持するという意見が26.26%,複式学級解消のため適正配置を検討するが20.48%,順次適正配置を検討していくが24.15%,全市的に適正配置を検討していくが22.59%という結果であるが,何らかの方法で適正配置を検討していくという意見を合わせると67.2%である。
  • さらに,望ましい子どもの将来像については,公共心や社会常識,マナーを身につけた人が64.5%,人の話に耳を傾け人の気持ちが理解できる人が57.1%と,共に過半数を超える高い支持を得た。次いで自律心,忍耐力を身につけた人,コミュニケーション力を身につけ,良好な人間関係をつくり出せる人がそれぞれ35%前後という結果である。

(2)アンケート結果の検討(学校適正配置の理念)について

会長

 地域のニーズを考えるためのデータとして今回の市民アンケートを行った。この結果を踏まえながら検討を進める。また,三原市の子どもをどんな子どもに育てていくのか,そのためには三原市の望ましい学校教育をどういう教育として行っていくのか,その望ましい方向性を実現するためには,どのような学校の規模・配置が,子どもたちにとって最も望ましいのかを見つけていきたいというのが,この懇話会の基本的な考え方である。

II 望ましい学校規模,学級人数について

  • 30人程度いれば良いのではないか。
  • 人数だけでいうなら経験上,25人~30人位が良い。
  • コミュニケーション力を養うために,地域・学校・家庭の連携も可能になるのは25人~30人のクラスではないか。
  • 10人程度や40人程度については,どの地域についても支持されていないのが数値から読める。校長経験のある委員の意見からは,専門的にみると,20人~30人が適正ということになるのではないか。

III 通学時間,通学方法について

  • 小学校と中学校では少し考え方が異なると思う。中学生は半大人的に捉えている。
  • 親は安全のため学校に近いところに家を持ちたいとの思いがある。通学時間とか距離でなく,安全な通学手段に地域住民は関心を持っているのではないか。
  • 今の社会情勢を見ると,地域というよりも保護者が送迎するような時代が来るのではないか。
  • スクールバスの利用についての支持率が前回調査の20%から31%に上がっているのは合併が大いに反映していると思う。合併町の意見が反映していることは間違いないところだろう。

IV 学校の適正配置についての意見

  • アンケートの結果からは,複式学級や児童・生徒が極端に少なくなっても現行の学校配置を維持するが26.26%で全体の1/4,反対に何らかの方法で適正配置を検討する必要があるという意見が3/4の結果となっている。適正配置を検討する方法として,全市的に一斉に行うとする意見は22.59%,そうではなくて一定の規模等を満たさない学校から順次行うが45%と約半数になっている。
  • 複式学級解消から徐々に行うということになるのではないか。
  • 小規模学校・学級の子が大きな学校・学級に入っていったときには大きなギャップがあり,その影響について保護者の心配も多くなってきている。
  • 中学校に関してはせめて2クラスは欲しいところ。小規模校だと小・中学校9年間を同じ1クラスの級友と過ごすことになり,高校入学時や社会に出たときのギャップが大きい。
  • 「全市的に適正配置を検討する」意見を支持する。小規模校にも良い点はあるが,この年代は色々な人と接することが必要で,団体スポーツなども経験することが大事である。子どもの将来を考えると,全市を対象として一気に進めるべきだ。

※ 「複式学級になっても現行の配置を維持するべき」という意見について委員に尋ねたところ,賛同意見なし。

  • 今後5年後,10年後には確実に少なくなっていくという見通しがあるのに,そのときどきでどうするのかということでは生ぬるい。三原市として,一定規模の人数になったときには統合する方向で行政と地域とで共に努力するというような線引きを事前に決めておく方が良い。
  • アンケート結果では,小学校において複式学級でも良いと回答した人,また,中学校の生徒数については1学級あたり10人程度が望ましいとした人の割合はどちらも極めて少数なのに,適正配置の質問ではどんなに子どもが減っても現行を維持することについては1/4も支持している。「現行を維持する」理由については,情的なものではなく知的なものになっているが,あまり少数の学級で学ばせたくないけれど学校は維持したいというように結果が反発し合っている。
  • 我々としては,理想は20人~30人のクラスで2学級という学校規模の実現の方向性に重点を置き検討すべきではないか。
  • 一斉に適正配置を進めるという意見もあるが,地域住民のニーズ・感情・声を大切にしながら進んでいくのが適切ではないか。
  • 「一斉に・・・」というやり方については,慎重になる必要がある。結果的に一斉に進むことになっても,地域住民と十分意見を交換し,議論を重ねた上で決定していくべきだと考える。
  • 一斉に統合を進めるという方向性を論じるには,「現行を維持する」とした1/4の市民ニーズにも注意を払う必要がある。合併して,三原市民としての地域住民のコミュニティが一体になっているか,まだ合併前のままのコミュニティなのか。無理にコミュニティを壊してまで適正配置を進める訳には行かない場合もあるという微妙なニュアンスを読み取る必要もある。

 V 理想とする三原市の子どもの将来像や学校

  •  公共心や社会常識などはもちろん大事だが,将来社会に出て立派な大人になるには家庭教育でもするべきことはたくさんある。
  • 特にコミュニケーション力の育成が課題ではないか。この力を身につけるには一定規模の人数が必要と考える。
  • 家庭で躾(しつけ)ができないとか,常識に欠ける保護者が多いのも事実。子どももコミュニケーションをとるのが上手でない。
  • 望ましい子ども像について,そのすべてを学校が行うかのような幻想を作り上げてはいないか。家庭の責任,親のマナーなど,学校教育を問う以前に家庭において実践すべきことをしているかを問うべきではないか。
  • 子どもの出生率についての数値予測があるのだから,これを活用して教育委員会が学校適正配置についての青写真を示し,将来の長期展望を明らかにしながら地域住民と話し合うことが必要ではないか。
  • このたびのアンケート回答率が49%という関心の高さからいうと,地域住民の感情も重く受け止める必要がある。しかし,子どもは確実に減少していくので適正配置は避けられない。市が今後の将来年次計画を立てていくべき。そうでなければ一気に進める方向も検討するべき。
  • コミュニケーション能力の向上に注目したい。これは,大規模校でなければ育たない。
  • アンケート結果の「自律心,忍耐力を身につけた人」は高い支持を得ているが,これらは人間関係を経験する中で育つもの。そのためにはある程度まとまった人数の集団生活が可能な環境を整える中で身についていくものだと思う。また,保護者同士の学びあいの場が必要と思うが,そのためにはやはりある程度の集団を確保する必要がある。
  • コミュニケーション力をしっかり身につけていかなければいけない。そのためには生徒と生徒,生徒と先生・学校,生徒と地域などの関係が色々と積み重ならないと人間関係力はつかないのではないか。そのような可能性を高めるために学校の適正規模を考えていくことが必要だ。
  • 子どもの将来像の上位4項目と学校の取り組むべき課題で最も高い数値を示している「社会性や道徳性を育てる心の教育」は整合している。
  • また,学校施設・整備の課題として,「トイレなどの衛生面の充実」や,若い世代で支持の高い「床・通路・階段などのバリアフリー化」などの問題があることから,「学習環境を限られた予算で整備するためには」という視点から学校規模を検討していく方法も考えられるのではないか。

チャットボット