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三原市イノベーション対談を実施しました
障害者就労継続支援事業所との協働で創る(つくる)
着物を活用したアップサイクル製品
株式会社瀬戸内ミライデザインは、廃棄寸前であった着物の生地を活用し、アップサイクルした製品などを開発・販売する企業です。この度、三原市内の障害者就労継続支援事業所と連携し、新たな製品を開発。さらに三原市のふるさと納税返礼品になったことを報告するため、製品製作に携わる関係者の皆様と岡田市長を表敬訪問され、製品への思いなどを語り合いました。

日時 令和8年5月26日
場所 三原市役所
出席者 (事業者・関係者)
(株)瀬戸内ミライデザイン 野田様、ヤスムラ様
特定医療法人 大慈会「わいわい工房」 田中様、大迫様、早川様
(株)WISH 真鍋様
(株)WISH 就労継続支援B型事業所 METEOR(ミーティア)永井様
(三原市)
岡田市長、吉田イノベーションコーディネーター
(以下、敬称略)
目次
・野田さんと就労継続支援事業所の出会い、製品づくりに携わる人の声
・製品の魅力と今後の展望
・三原市発、イノベーションを生み出す取組
・終わりに
・関連リンク
野田 本日はお時間をいただきありがとうございます。昨年3月、市長に自社サービスについてご紹介させて頂いた機会をきっかけに、三原市内の福祉施設の皆さんと協力して、新たな製品づくりを進めてきました。今回、その製品がふるさと納税の返礼品に登録されましたので、ご報告に伺いました。
市長 着物を再利用して、素敵にデザインしてお届けするというアップサイクルという形を取り入れ、障害のある方の仕事づくりにもつながる事業を展開されているとのことで、非常に心強く感じています。
本市も令和5年度から障害者就労支援事業に力を入れており、様々な連携が実現してきました。本市の保健福祉部障害者福祉課が市内の福祉事業所に協力を呼びかけ、3社と繋がったことで、このような取組がスタートし、ふるさと納税の返礼品にまで登録できたことは大変うれしく思っています。
野田 三原市さんの素早い対応には大変感謝しております。通常は私たちから福祉事業所様に声をかけることが多いですが、市から率先して声をかけていただきました。
ふるさと納税の話も、市長ご自身が直接動いてくださり、担当者ともすぐに繋いでいただきました。これはなかなか他にはない素晴らしい姿勢だと思います。
市長 ふるさと納税には市としても力を入れていますが、返礼品の基準など制度面でのハードルも多いです。その中でこの製品が登録されたことは非常に喜ばしいことで、ふるさと納税という全国の市場に向けて、より多くの人に製品に込められたメッセージを届けられる機会になると期待しています。
野田 市内の福祉事業所であるわいわい工房さんとミーティアさんと一緒に製品を作っていますが、元々縫製に取り組まれていた方々と出会えたことで、協業という形で、とてもスムーズに話が進んでいきました。大変ありがたい機会をいただいたと思っています。
市長 福祉事業所で作業している人には、色々な特技や得意なことがありますが、それらを仕事に生かせることはすごく良いことだと思っています。今回の製品には、特性が存分に発揮されているということですので、多くの人に知ってもらえる機会になればいいと思います。
吉田 野田さんのエネルギッシュな推進力がこのプロジェクトを加速させ、皆様の大変なご尽力のもと、一つの成果となったことは本当にすばらしいと思います。
着物のアップサイクルは全て一点ものですので、それぞれの製品に込められたメッセージがふるさと納税をされた方々に届く素晴らしい取組だと思います。こうした「リアルな手触り感」のあるものづくりは、一種のイノベーションと言えるでしょう。今回の成果はみなさんの努力の賜物ですね。

(左から)岡田市長、吉田イノベーションコーディネーター、野田代表
野田さんと就労継続支援事業所の出会い、製品づくりに携わる人の声
田中 野田さんとの出会いは運命的でした。たまたま研修で同じグループになったのがきっかけです。そこで、野田さんが広島で着物のリメイクの事業をされること、就労継続支援事業所と連携する話を聞きました。
ちょうどその時に早川さんがわいわい工房を利用されることになり、さらに早川さんが着物のリメイクをしたいことが分かり、これはもうお二人を会せなきゃいけない、それが私の役割だと思いました。野田さんとの出会いにより早川さんの力を世に発揮できたことがとても嬉しいです。
早川 この仕事の話を聞いた時は「やった!」という感じで、とても嬉しかったです。私は、もともとジーンズのリメイクをしていて、着物に注目していて、やり始めたところだったので、すごく楽しくやらせてもらっています。
真鍋 私は野田さんの取組の話を聞いたり、実際に試作品を見たときに、本当に素敵だなと思いました。そして、利用者さんが一緒にできたらもっと素敵じゃないかと思ったんです。
縫製やハンドメイドが得意な人がいる中で、実際に始める前には、野田さんが直接事業所に出向いてくださって利用者さんとやり取りをしている姿を見て、これまでに無い事だったので、とても感動しました。製品づくりに携わることで利用者さんは大きなやりがいを感じています。
永井 最初、利用者さんは手縫いをされていて、ミシンを使ったことがありませんでしたので、ミシンをお借りしてからスタートしたんです。
着物の生地は非常に繊細で薄く、ミシンの針が通りにくい上に生地がほつれやすいのが大変な点です。ミシンの使い方も工夫をしないと生地を傷めてしまうため、利用者さんと共に試行錯誤を繰り返して技術を高めてきました。
今では利用者さんもミシン作業に自信を持ち、縫製の仕事に大きなやりがいを感じていますし、周りからも「すごい良いものができたね」って言われるのが嬉しいとおっしゃっています。
早川 着物の中には縫いにくいものがあります。針が通りにくいものなど生地によって違うんです。着物って強いんだなと思いますね。
ヤスムラ 着物を活用したこのような取組は広島県内でも初めてで、全国でも先進的だと思います。ぜひ1点でも多くの製品を広げていきたいですね。

(左から)田中さん、早川さん、真鍋さん、永井さん
製品の魅力と今後の展望
野田 「MIHARA Bag」は異なる2枚の着物を組み合わせて作っていて、同じ工程でも違うものができるというのはすごくいいことだと思っています。工程も工夫しており、ロックミシンにも挑戦してもらっています。利用者さんの意見も積極的に取り入れながら、一緒に一つのものを作り上げている実感があります。物が入れば入るほどかわいくなる不思議なバッグです。
市長 着物という素材特有の課題もありますが、それを乗り越え商品化されている点が非常に興味深いですね。
野田 ミーティアの利用者さんに作ってもらったシュシュは表と裏が違う柄になっていて、着物を無駄にカットしない設計で作っています。両面違うので、二通り楽しめます。その分生地の素材が違うので、縫い合わせの時に針が通りにくいこともありますので、そこは利用者さんのと一緒に学びながら工夫しています。この製品は、特に外国人の方に好評です。
ヤスムラ 着物は一般的な衣料品に比べて生地の密度も高く、しっかりしています。このような生地がどんどん捨てられていることはとてももったいないことだと思います。
野田 全国には約6兆円規模の着物がタンスに眠っていて、その内、年間で1000トンが捨てられていると言われています。着物と言えば和柄というイメージもありますが、集めてみると意外と少ないんです。さまざまな生地がありますので日本の伝統的な織物として活かしていきたいです。
吉田 実物を見せてもらうと、より一層印象的になるので、もっと皆さんに見ていただく機会を作っていきたいですね。このような取組が全国に知られると、タンスに眠っている着物がもっと集まるかもしれませんね。
市長 障害のある方の特技を仕事に生かせることは大変素晴らしいことです。この製品づくりの過程で、利用者さんの特技が十分に活かされていると伺い、多くの人に知って欲しいと思います。さらに、製品が売れれば売れるほど三原市内の事業所が請け負う仕事も増えますので、地域活性化に繋がると期待しています。

三原市発、イノベーションを生み出す取組
ヤスムラ 野田さんの商品開発のスピードにはとても驚いています。一つの商品を作るための工程が多くても、次々と商品の数が増えていくのは本当に素晴らしい能力だと思います。
市長 野田さんの取組は、市が力を入れている障害者就労支援の施策にぴったりフィットしていて、本当に嬉しく感じています。市内の事業者や関係者の信頼も広がってますね。
吉田 今回、きっかけとなったのは三原市が実施しているイノベーションツアー※でしたが、参加してみてどうでしたか?
※イノベーションツアーとは
東京等で活動している「スタートアップ企業」や「大企業の新規事業担当部署」が、三原市を訪問し、市長や経済団体等に対して事業のプレゼンテーションを行い、ディスカッションする事業。
本事業から、地元企業との交流や三原市をフィールドとした実証事業などをきっかけとして、イノベーションの創出が期待される。
野田 今回の取組のきっかけとなったこともあり、参加してよかったです。三原市役所の皆さんの動きが早く熱心で、そのおかげでいろいろ実現できました。今回の取組もツアー終了後にすぐ障害者福祉課の方が障害者就労支援施設や事業者の方々と繋がる機会を設けてくれたのが大きかったです。
これは、製品を作るうえで課題だったのですが、着物を活用するため、毎回毎回生地の質感が変わり、通常の縫製工場だと断られるような案件だと思います。けれども就労支援施設の皆さんは気に入ってくださって、小ロットでも取り組んでもらえることが非常にありがたいです。
吉田 イノベーションツアーのような取組は全国的にもめずらしく、非常にユニークだと思います。
市長 この取組のいいところだと思っているのは、吉田コーディネーターが、三原市の課題を事前に把握し、それに合う事業者を選んでくれるからこそ、イノベーションツアーが有意義なものになっています。
これまで様々な取組がありましたが、ここまで大きな実績が生まれたのは、野田さんの熱意が市職員を動かし、障害者就労支援施設の皆さんの賛同を得たからこそ、成果につながっていると感じています。
吉田 ふるさと納税返礼品の話は、令和7年11月のイノベーションイベントの際に始まったんですよね。
野田 イベント後、市長がすぐにふるさと納税の担当者を連れてきてくださったことで話が進み、条件をクリアして、三原市のふるさと返礼品に登録できました。
吉田 市長がふるさと納税の返礼品になるかもと思ったのは、何か感じるものがあったんですか。
市長 着物を活用され、デザインも素敵で、日本の伝統文化が世界から注目を集める中で、これからますます注目されるのではないかと直感しました。
吉田 広島空港やホテルなどでも商品の展示や販売といった連携を考えられそうですね。直接手に取ってもらうことが重要です。
市長 そうした情報発信や連携の機会は市内に多くあります。製品が出来上がるまでに、障害者就労支援施設が協力していることを積極的に取り上げていきたいです。
野田 私たちは広島県の企業や施設と協業し、障害のある方々の技術や才能を活かしながら「広島モデル」を確立していきたいと思います。将来的には日本全国、さらには世界にも広げていくことが目標です。
吉田 イノベーションツアーから成果を生み出し、新しい取組のモデルができつつあることを非常に嬉しく思います。これからも市の取組が多くのスタートアップの支えになっていけばいいですね。
市長 市の目標は、三原市民が「三原に住んでよかった」と思ってもらうことです。そのためには、様々な課題がありますが、知恵を集めて乗り越えていかなければなりません。イノベーションツアーはそうした知恵を集める有効な手段です。
今後も多様な人や企業と連携し、三原をより魅力的で住みやすい街にしていきます。

終わりに
吉田さんのコーディネートをきっかけとした、株式会社瀬戸内ミライデザインの野田さんと障害者就労支援事業所の出会い、そして関係者が協力して生み出したアップサイクル製品は、障害者の働きがいや新たな価値を創造しました。また、三原市ふるさと納税の返礼品にも採用され、地域活性化の可能性を示しています。今後の様々な連携によって生まれる三原市の新たな挑戦に注目してください。
関連リンク
・市長表敬訪問の様子(市長フォト日記)※外部サイトに移動します。
・株式会社瀬戸内ミライデザイン※外部サイトに移動します。


