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有害な外来種は,入れない!捨てない!拡げない!(外来種の侵入を防ぎましょう)
外来種について
外来種とは?
外来種とは,ヒアリやセアカゴケグモなど,もともとその地域にいなかったのに,人間の活動によって他の地域から入ってきた生物のことを指します。
“外来種”という言葉を見ると,海外から日本に持ち込まれた生物のことを表すと思われがちですが,“在来種(本来の分布域に生息・生育する生物)”でも,たとえばカブトムシのように,本来は本州の南にしか生息していない生物が,北海道に入ってきたというように,日本国内のある地域から,もともといなかった地域に持ち込まれた場合には,“外来種”となり,もとからその地域にいる生物に影響を与える場合があります。
※渡り鳥,海流にのって移動してくる魚や植物の種などは,自然の力で移動するものなので,外来種には当たりません。
外来種がもたらす問題
1 生態系への影響
外来種が侵入し,新たな場所で生息すると,エサの縄張り争いが起こったり,植物が成長し在来の植物の生息域が失われたりします。また,在来生物と交雑して雑種を作り,在来生物の遺伝的な独自性がなくなったりします。
2 私たちの健康や生活への影響
かまれたり,刺される危険性があります。(例:セアカゴケグモ,カミツキガメなど)その地域や国に存在しなかった花粉や寄生虫,病原微生物など,外来種と一緒に入ってくることで,病気の発症や感染の危険が増えることがあります。(例:セイタカアワダチソウ,アライグマ(アライグマ回虫症)など)
3 農林水産業への影響
農作物を食べたり,荒らしたり,漁業の対象となる生物を捕食したり,危害を加えたりするものをいます。(例:アライグマ,ブルーギル,スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)など)
特定外来生物について
特定外来生物とは,外来生物(海外から導入された生物)であって,生態系,人の生命,身体,農林水産業へ被害を及ぼすもの,または及ぼすおそれのあるものの中から,外来生物法に指定された生物を言います。
≪特定外来生物に関する規制≫
・飼育,栽培,保管及び運搬の原則禁止
・輸入の原則禁止
・野外へ放つ,植える及びまくことの禁止
・飼育等の許可を受けていない者に対しての譲渡,引渡し(販売も含む)の禁止
※ただし,許可を受けている場合は,規制の対象になりません。
生態系被害防止外来種リストについて
多くいる外来種について,日本及び海外などでの生態系等への被害状況を踏まえ,日本における侵略性を評価して,特に注意が必要な外来種を明確化しリストにしたものです。
生態系被害防止外来種リストには,外来生物法に基づく規制の対象となると特定外来生物・未判定生物に加えて,同法の規制対象以外の外来種も幅広く選定されています。
ミシシッピアカミミガメ(ミドリガメ),スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)などは,外来生物法の規制対象ではありませんが,生態系に悪影響を及ぼしうることから,外にはなさない,むやみに増やさないなど,適切な取扱いが求められます。
外来種被害防止三原則
1 入れない 悪影響を及ぼすおそれのある外来種を入れないようにしましょう。
2 捨てない 飼育・栽培している外来種を適切に管理し,逃がさない・放さない・逃げ出させないようにしましょう。
3 拡げない すでに野外にいる外来種を他地域に拡げない(増やさない)ようにしましょう。