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岡田市長が所信表明を行いました(令和2年9月三原市議会定例会)

記事ID:0112139 更新日:2020年9月29日更新

令和2年9月市議会定例会の開会にあたり、岡田吉弘市長が所信表明を行いました(令和2年9月8日)。

令和2年9月三原市議会定例会 所信表明

 私にとりまして,最初の定例会に臨むにあたり,この際,お許しをいただきまして,私の市政運営の基本的な考え方を申し上げ,議員並びに市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 私は三原で育ち,県外の民間企業で働いておりましたが,仕事を通じ,企業の海外進出によって国内産業が空洞化していく現場に直面しました。故郷三原に帰省するたびに,企業の縮小や駅前の衰退などで,市が活力を失っていく姿が重なり,いずれは三原市に帰り,三原に恩返しをしたい,三原の活性化に貢献したい,という強い思いを持っておりました。
 そして,このたび,市長選挙におきまして,市民の皆様の温かい支持をいただき,市長に就任いたしました。
 三原市政を担うことは,大変光栄であるとともに,その責任の重さを感じ,身の引き締まる思いでございます。三原市の発展のため,身命をとして職務にあたる覚悟であります。
 さて,現在の三原市は,人口減少が進み,特に若者の転出が止まらず,中山間地域では減少傾向が著しい状況です。また中心市街地や商工業の衰退による市の活力の低下,そして新型コロナウイルス感染症は,市民生活や経済活動にも大きな影響を及ぼしております。さらに市内での医療等の継続に対する不安感も広がるなど,私がこれから取り組む市政運営には多くの課題がございます。
 一方で,三原市には先人たちの努力によって残していただいた財産や様々な可能性があります。交通利便性や穏やかな自然と気候,長い歴史の中で培われた文化,そして保健福祉分野における拠点である県立広島大学や,多方面で活躍する人材などです。
 そして,近年では,災害からの復旧復興に市と市民が協力して取り組みました。多くの企業が立地され,観光分野での新たな動きが始まり,中山間地域での住民自らの活動も活発化し,市を代表するやっさ祭りや神明市といった祭りを支える多くの市民の活躍など,三原の未来に向かうエネルギーがあふれています。
 私は,8月に行われた選挙を通じ,市の活性化や災害からの復旧,子育てや教育環境の充実,そして三原市政の信頼を回復して欲しいといった様々なご意見を伺い,それを市政に反映することを約束してきました。
 私は,これからの市政に正面から向き合い,三原の良いところを活かし,多様な人材と連携することで,新たな発想を取り入れ,行動し,市の魅力や強みを増やし,すべての人が,住みたい,住み続けたい三原市を実現してまいります。

 そのため,私は「市民の皆さんが納得感とワクワク感を持てるまちづくり」に取り組んでいきます。その先に「住んで良かったと,誇りを持てるまち」をめざします。
 まず,市が実施する取組について,積極的に意見を伺う機会を持ち,めざす方向性などを市民に理解していただくことで,施策に対する「納得感」を持ってもらうよう取り組みます。次に,その取組を通じて,「三原が変わってきたよね」「良くなってきたよね」と市民が感じ,期待感やワクワク感を持っていただけるにようにしていきます。
 また,「地域づくりは人づくり」という考えを基本とし,すべての世代の人たちが,学びや経験を活かして活躍し,そしてまちづくりへの参加を応援することで,人の成長をまちの成長につなげていきます。先進事例を一つずつ積み重ねていくことで,「人づくりの先進地域」になることをめざしてまいります。

 次に,私の市政運営にあたっての基本的な考え方を述べます。
 まず,市民の皆様の声を広く聴き,誰一人取り残さないという思いを市役所全体で共有し,市民のための仕事をしているという意識を持って日々の仕事を進めてまいります。
 次に,透明性のある市政運営のため,市が実施する取組について様々な場面で市民の参画や,積極的な情報公開を進め,対話を通じて,市民の思いを市政へ反映してまいります。
 また,シティプロモーションとして,市民のシビックプライドを醸成するとともに,市外の人から選ばれるまちとなるよう,積極的に市の魅力や強みを発信してまいります。
 そして,まちづくりの課題が多岐にわたる中,市が単独で課題解決にあたるのではなく,お互いが発展していく「共存共栄」の気持ちを持ち,市民や企業,各種団体などと,それぞれの強みや持ち味を活かした連携,協働により,課題解決を図ります。
 さらに,未来の三原を担う人材の育成を応援します。
 子どもから大人まで様々なことにトライする意欲とチャレンジしやすい環境,そして後押しする市民や行政,こうしたことが生まれるまちづくりをめざします。
 最後に,市政運営の両輪である議会との連携であります。
 それぞれが市民の代表であり,地域のリーダーである議員の皆様としっかりと対話し,広く意見を伺いながら,市民にとって真に必要な政策について議論を深め,市民の納得感につながる市政運営に努めてまいります。

 このような考えで市政運営にあたる中で,市長として取り組む5つの重点項目について述べます。

 1点目は,三原を「子育て支援・教育の先進地域へ」としていく取組です。
 三原での子育ては安心,三原で教育を受けて良かった,といわれるまちをめざします。
 子育てするには安心感が必要です。出会いから妊娠,そして出産と子どもの成長,自立していくまで,子育て世代の皆様は,多くの不安を抱えておられます。
 子育て世代に安心を提供するため,出産や小児医療に関わる医療体制の維持,様々な課題や身近な心配にも丁寧に対応できる相談体制の構築,そして子育てを後押しし,楽しみながら子育てができる保育サービスや支援策の充実を図り,子どもも,親も,三原を誇れるような施策の展開をめざしてまいります。
 教育は人づくりの基盤であり,非常に重要です。
 これからの社会を担う未来の担い手を育成するものです。
 学ぶ力,社会でたくましく生き貢献できる力を身に付けることが必要です。
 子どもたち一人ひとりの個性,持ち味を伸ばし,自分に自信を持ち,新たなステップに進む力を備えることができるよう,必要な支援を行ってまいります。
 また,現在,国の「GIGAスクール構想」に基づく整備を市も進めており,これからの数年で,小中学校における学ぶ環境,学び方が大きく変わる大事な局面にあると認識しています。
 これからは,子どもたちの学ぶ手段として整備された環境を最大限に活用することが重要です。これをチャンスと捉え「教育が三原市の強み」といえるように,教育委員会と連携し,しっかりと取り組んでまいります。

 2点目は,「暮らしに安心感をもたらす」取組です。
 すべての市民から三原に住んで良かったと思われる,安心して暮らせる三原にします。
 私は市内を回る中で,人口減少と高齢化が進み,地域の活力が低下している状況を肌で感じ,日々の生活に必要な買い物や移動手段など,暮らしの中での不安の声をお聴きしました。
 これからも,住みなれた場所で,地域との交流の中で,すべての市民が生き生きと安心して楽しく暮らせる地域を確保していくことが重要です。
 その基盤となる医療・介護・福祉の充実については,市内医療機関や医師会,介護事業所,社会福祉協議会などとの連携により,着実に進めてまいります。
 また,安心感のある暮らしを維持するためには,地域コミュニティの維持や活性化が重要です。地域自らが課題を把握し,自らが解決や活性化に向けて取り組む動きを促進するため,住民と行政の連携を進めるとともに,しっかりとバックアップを行ってまいります。
 中山間地域の維持・活性化,地域公共交通などの移動手段の確保,危険空き家の対応,防犯対策をはじめ,生活を送るうえでの安心の確保に向けては,住民や地域との対話を通じて取り組みます。
 障害のある方や高齢者,虐待や貧困で苦しむ子どもたち,そしてすべての市民が安心して暮らせるよう,誰一人取り残さないという強い思いを持って,尽力してまいります。
 さらに,自然環境の保全に関連しては,本郷町の産業廃棄物最終処分場について,地域住民の不安が払拭され,未来の三原の安全安心な生活が守れるよう,引き続き県と連携しながら,実施事業者に対し,環境対策,災害防止,安全対策など,十分な説明を行うよう,取り組んでまいります。

 3点目は「地域経済の活性化」に向けた取組です。
 市民生活や市政運営の土台となる地域経済を守り,成長を支援し,活力ある三原を実現します。
 市の活力の基盤である地域経済を活性化するには,今ある産業の成長を応援し,新たな産業の創出を後押しし,市民が笑顔で働けるまちにしていくことが必要です。
 現在は,新型コロナウイルス感染症により,地域経済への大きな影響が出ており,まずは市内での雇用を守っていくことに力を入れます。
 そのため,現場の声を聴き,三原商工会議所や三原臨空商工会をはじめとした経済団体との連携を密にし,スピード感のある支援を行ってまいります。
 一方,感染症の拡大によって,東京一極集中のリスクが顕在化しました。地方の価値が再認識され,新たな流れが起きつつあります。このような状況を踏まえ,三原が持つ交通利便性や豊かな水,本郷産業団地や市域全体に広がる光ケーブル網などの強みを活かし,私が先頭に立って,新たな企業誘致やサテライトオフィス誘致に取り組んでまいります。
 市内の事業者の受注拡大やイノベーションの促進,販路拡大の一助となるトライアル発注制度の導入についても検討を進めてまいります。
 また,AIや5Gなど新技術が日々進化する中で,これらを脅威としてとらえるのではなく,新たな生活文化や事業創出の機会としてとらえ,事業承継や,生産性の向上,労働力確保や企業の成長支援に対応してまいります。
 また,特に中山間地域での主要な産業である農業についても,新たな担い手の育成や農産物の販路拡大,有害鳥獣対策,6次産業化などにより,農業を持続可能なものにするべく取り組んでまいります。

 4点目は「新たな三原市に向けた」挑戦です。
 三原市の良さや人材を活かし,市の活性化に向けたチャレンジを重ね,市民がワクワクするまちをつくります。
 新型コロナウイルス感染症の影響で市の活性化に向けた取組はなかなか進みにくい状況ですが,将来に向けて今できることを行い,未来に向けたまちづくりが必要です。
 7月末にJR三原駅前にオープンした官民連携のキオラスクエアにより,市街地が大きく変革するチャンスが来ています。三原商工会議所をはじめとした経済界,地元商店街,そしてまちづくり三原などと強力なタッグを組み,中心市街地の再生に向けて取り組みます。
 また,この新しい施設とともに市の特長である三原内港や西国街道を中心に,「心地よい景観」づくりとともに,「歩きたくなる街」づくりにチャレンジし,住む人にも,来た人にも居心地の良い街並みをつくっていきます。
 地域連携DMOが設立された機運を逃さず,DMCや観光協会など観光関連団体と連携し,新型コロナウイルス感染症終息後の新しい観光の形を準備してまいります。
 移住定住の促進に関しては,市職員がおもてなしの気持ちを持ち,三原の良さを紹介し,三原に住みたいと思わせる窓口になるとともに,移住者に合った支援にも取り組みます。また,特に関係人口創出は,市内の様々な分野の担い手不足解消や将来の移住,二拠点居住にもつながるものであり,三原の特長を活かして進めていきます。
 これらを積極的に推進するため,各種団体や人材が同じベクトルを持ち,進められるよう,協力してまいります。

 5点目は「市民とともに進める地域の防災対策」への取組です。
 暮らしを支える防災対策を充実させ,全ての市民の安心を守ります。
 平成30年7月の豪雨災害からの復旧に,全力で取り組んでいるところですが,まだまだ復旧できていない箇所があります。引き続き市の重点課題として位置づけ,様々な知恵を絞り,一日も早く完全復旧できるよう,全力で取り組んでまいります。
 また,平常時から,地域防災力の強化を図るため,自主防災組織の活性化への支援とともに,産学官連携による対応策の検討や,物資輸送の確保等について民間事業者との協力体制を強化し,災害時には,SNSの活用など多様な手段で,正確な情報をいち早く伝達できるよう,取り組んでまいります。

 こうした項目に対し重点的に取り組むとともに,今後の人口減少や技術革新など社会の変化に対応するためには,市役所は「市民の役に立つ所」として行政力を上げることが必要であり,行政のデジタル化と行財政改革を進めてまいります。
 行政のデジタル化については,現在の業務を見直して,新たな課題に対応するため,業務の実施方法や過程を分析し,ICT活用による業務効率化に取り組みます。こうした取組を通して生み出した時間,人員を新たな課題解決へ向けてまいります。
 また,ICT活用にあたっては,専門的な知識,経験を有する人材を民間から登用することで,よりスピーディに進めていくことも検討するとともに,今回の新型コロナウイルス感染症の影響で明確になった働き方の問題について,庁内へのテレワーク導入に取り組みます。
 次に,行財政改革については,目的やあり方から事業の見直しを検討する中で,人材育成を推進し,チャレンジする職員を育成するとともに,公共施設マネジメントなどにも取り組み,健全な財政運営に努めてまいります。

 以上,私の市政運営にあたっての基本的な考え方と,重点的に取り組みたい項目やその内容について述べさせていただきました。
 こうした考え方に基づき,これから市内部での検討を進め,具体化してまいりますが,市民や議員の皆様からも様々なアイデアをいただきながら,内容をブラッシュアップし,幸せに暮らす人があふれるまちをつくるべく事業実施につなげてまいります。
 一つひとつ熟慮した結果,実施の段階においては,私の強みである若さと行動力を持って,全力で進めてまいります。
 また,市を取り巻く状況が刻々と変化する中,ときには厳しい決断が必要な場面も必ずあると思いますが,そのような時こそ,市民の皆様に納得感を持っていただけるよう,しっかりと意見を伺い,議論を重ねていく覚悟でありますので,議員の皆様,市民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

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