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マダニによる感染症に注意しましょう。
マダニの中には病原体ウイルス等を持つものがあり、これらのマダニに咬まれた場合、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)や日本紅斑熱等を発症する恐れがあります。
広島県東部保健所の所管地域(三原市、尾道市、世羅町)において、令和5年は46件の日本紅斑熱と1件のつつがむし病、1件の重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の発生が報告されています。中でも、日本紅斑熱は過去最多の発生報告となっています。
感染源となるマダニは、気温の上昇とともに、活動が活発となるため、この時期からマダニに咬まれないように気をつけましょう。
野外活動時は、マダニに咬まれないように予防しましょう!
野外でハイキングやキャンプ、畑仕事や山仕事などで山や草むらをで活動していると、マダニに咬まれることがあります。
マダニに咬まれないように、草むらなどに入る時は、次のように防護し、活動後も咬まれていないか確認しましょう。
□肌の露出を少なくする。
(首にタオルを巻く、長袖、長ズボン(シャツやズボンの裾は入れる)や手袋、帽子などを着用する)
□足を完全に覆うくつをはく。
□明るい色の服を着る。(マダニを目視で確認しやすくするため)
□屋外活動後は体や服をはたき、帰宅後はすぐに入浴してマダニに咬まれていないか確認する。
脱いだ衣類は放置せずにすぐに洗濯する。
症状
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
原因不明の発熱、消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)、時に頭痛、筋肉痛、神経症状(意識障害、けいれん、昏睡)、リンパ節腫脹、呼吸不全症状、出血症状(歯肉出血、紫斑、下血)
潜伏期間:6日~2週間程度
日本紅斑熱・つつが虫病
頭痛、倦怠感、寒気、関節痛、高熱、痛みやかゆみを伴わない紅色の発疹(米粒大~小豆大)
潜伏期間 日本紅斑熱:2日~8日
つつが虫病:5日~14日
どのようにして感染するのか
重症熱性血小板減少症候群はSFTSウイルスを持ったマダニに、日本紅斑熱は病原リケッチアを持ったマダニに咬まれることで感染します。
マダニは日本全域に生息していますが、すべてのマダニがこれらのウイルス等を持っているわけではありません。
しかし、ウイルス等を持っているマダニを判別することはできないので、マダニに咬まれないようにすることが大切です。
なお、人から人へ感染して広がるものではないとされています。
マダニに咬まれた時
吸血中のマダニに気が付いたとき、無理に引き抜こうとするとマダニの一部が皮膚内に残ってしまうことがあるので医療機関(皮膚科など)で処置(マダニの除去・洗浄など)をしてもらいましょう。
早期に適切な治療を行えば経過は良好ですが、遅れると重症化し、死に至る危険性もあります。
マダニに咬まれた後、数週間程度は体調の変化に注意をし、発熱などの症状が認められた場合は、医療機関で診察を受けましょう。
受診の際には、医師に(1)野外活動の日付(2)場所(3)発症前の行動を伝えましょう。
問い合わせ先
広島県東部保健所 保健課 代表番号 0848-25-2011
直通番号 0848-25-4640(相談窓口)
関連リンク
広島県感染症・疾病管理センター(ひろしまCDC)
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/hcdc/sfts-yobou.html
広島県東部厚生環境事務所・保健所
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/soshiki/172/
厚生労働省 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に関するQ&A
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/sfts_qa.html
厚生労働省 ダニ媒介感染症
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164495.html
国立感染症研究所 日本紅斑熱とは
http://www.nih.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/448-jsf-intro.html