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令和2年度施政方針

記事ID:0101208 更新日:2020年3月4日更新

 令和2年度施政方針(令和2年第1回市議会定例会)

施政方針を述べる天満市長

※ この施政方針は、令和2年第1回市議会定例会で市長が表明したものです。

「住みたい 住み続けたい」と思われるまちに

 平成31年度を振り返りますと、豪雨災害からの復旧・復興を最優先課題として位置づけ、早期復旧に向けて、広島県とも連携し取り組んできたところであります。しかしながら、完全な復旧までには、なお時間を要するため、新年度も引き続き、全力で取り組んでまいりますので、議会並びに市民の皆さまのご協力をいただきますよう、お願い申し上げます。

 それでは、令和2年度の施政方針につきまして、まず、本市を取り巻く状況についてであります。

 先日、安倍首相は施政方針演説において、令和の新しい時代を切り拓いていくとされ、東日本大震災からの復興の総仕上げに全力で取り組む中で、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を「復興五輪」と位置づけられました。そして、「地方創生」の分野においては、この復興五輪をきっかけに、各地域の魅力を世界に発信する、絶好の機会と捉え、5年後の大阪・関西万博も視野に、観光立国の基盤づくりを進めるとされております。
 また、相次ぐ自然災害の教訓を活かし、防災・減災、国土強靭化を進め、災害に強い故郷を創り上げることや、東京一極集中の解消に向け、「地方にこそ、チャンスがある」という思いを持つ若者の応援、地方での兼業・副業の促進や人材のマッチング、関係人口の拡大に取り組むとされております。
 また、「成長戦略」の分野においては、AIやなどの技術の進歩に対応するための規制改革や、それらの技術を新しい産業へと成長させていくこと、「一億総活躍社会」の分野においては、女性や高齢者の就業機会の確保や、希望出生率の実現をめざし、深刻さを増す少子化対策を強化すると述べられており、特に次の世代を担う若者の活躍、未来に向かってのスタートという考えを示されました。

 次に、本市の状況ですが、人口につきましては、令和元年末で93,080人となり、合併から約11,500人、この5年間では約4,800人の人口減少となっております。国の人口見通しでは、令和12年には82,000人、そして、令和22年では71,700人と、今後20年間で約2万人が減少するとされており、市としての対策が必要であります。

 次に、経済の状況ですが、昨年12月の市内企業に対する景気観測調査では、1年前に比べ製造業では上向き、3月までの見通しも全体として改善傾向ですが、17日に発表された国内総生産速報値の失速や、新型コロナウイルス感染症の影響、さらに、1月末の有効求人倍率は1と高水準の一方、企業の人材不足は広がっており、先行きは厳しい状況にあるものと考えております。

 そして、本市の財政状況ですが、歳入面において、新年度の市税につきましては、増加が見込まれる一方、生産年齢人口の減少や土地価格の下落、普通交付税の合併算定替えの終了など、引き続き厳しい状況が続くものと予想されます。
 また、歳出では、豪雨災害に伴う復旧・復興事業や、会計年度任用職員制度による人件費の増加、さらに扶助費や社会保障関係費も引き続き増加することから、大幅な削減は見込めない状況であります。

 こうした状況を踏まえ、本市では、今年度「長期総合計画・後期基本計画」の策定において、市の将来像「行きたい 住みたい つながりたい 世界へはばたく瀬戸内元気都市みはら」の実現に向け、前期基本計画で残された課題や、将来のまちづくりに向けて必要となる対策など、整理したところであります。
 さらに計画では、市のめざす方向を「持続可能なまちづくり」とし、目標として、「現在の人口9万人を維持すること」、「市民満足度を向上させること」を掲げております。
 そして、これらの実現に向けての柱の一つである、「第2期三原市まち・ひと・しごと創生総合戦略」では、人口ビジョンでの分析や、これまでの課題などを踏まえ、本市の強みや特徴を活かした、ナンバーワン・オンリーワンづくりを意識した人口減少対策に取り組み、もう一つの柱の「三原市定住自立圏形成方針・共生ビジョン」では、市民がこれからも安心して住み続けられるよう、市全体で暮らしに必要な機能を確保することなどを通じた、市民満足度の向上に取り組むこととしております。
 
 新年度は、これら新たな計画に基づいた事業に取り組み、人口減少の抑制を図るとともに、市民にとって住み続けたいまちづくりを積極的に推進することで、将来の10万人に向けての第一歩になるものと考えております。また、今後5年間は、市にとって大変重要となる期間であります。

 まずは、本市の最優先課題である「豪雨災害からの復旧・復興」に全力で取り組み、1日も早く、被災者の生活や被災企業の活力を取り戻すことであります。
 次に、人口ビジョンの分析では、若者の流出傾向の抑制に今すぐ取り組むことが、将来の市にとって大きく影響するものであり、若年層を始めとした移住・定住促進に取り組む必要があります。
 さらに、産業団地への企業進出、空港民間委託、外国人労働者の受入拡大、またAI、等の先進技術の進歩など、外部環境の変化に対応する施策にも取り組む必要があります。
 そして、新庁舎を始め、駅前東館跡地再開発や新三原斎場、本郷産業団地第1期造成区画、不燃物処理工場など大きな事業が完了する中、「住みたい、住み続けたい」と思われるまちづくりに、これらの基盤を活用していく取組が必要であります。

 新年度は、こうした課題解決に向け、計画に基づき、復旧・復興や地域活性化などに取り組むとともに、将来に向けた投資も行うことで、元気な三原が実現することをめざし、限られた経営資源の中で、最大の効果を挙げるよう、予算編成したところであります。

重点に「5つの挑戦」を

 それではここから、令和2年度予算につきましてご説明いたしますが、まずは、予算編成方針において、重点と位置づけました「5つの挑戦」からご説明いたします。

働く場づくりへの挑戦

 最初に、「働く場づくりへの挑戦」についてですが、 人口減少対策において、商工業、農水産業を始めとした働く場の充実は、大変重要であります。このため、新たな企業立地や競争力の高い産業の集積をめざし、既存の工業団地を含め交通インフラ等の優位性を活かした企業誘致活動を広島県と連携し推進してまいります。
 
 特に、本郷産業団地につきましては、新年度に第1期造成工事が完了することから、広島県と連携し、第2期・3期工事の事業推進と併せて早期分譲に取り組むとともに、アクセス道路となる一般県道三原本郷線の整備促進を図ってまいります。

 港湾エリアや工業用水の活用が可能な民間遊休地など、誘致の受け皿となる新たな産業用地の調査及び活用検討に取り組んでまいります。

 こうした市内に立地を予定する企業や既存企業の円滑な操業に向け、雇用の確保、住宅対策、インフラ整備等の様々な課題、要望などに的確に対応するため、私を本部長とする「三原市企業誘致促進本部」において、引き続き必要な支援策の検討を行い、市及び商工団体や関係機関が一体となった総合的な支援に取り組んでまいります。

 次に、農水産業の担い手確保と経営力向上につきましては、産地交付金の拡充等で米粉用米の生産拡大を図り、またトマトやレモンを中心とした研修制度を関係機関と連携し推進してまいります。

 6次産業化の推進として、新たな補助制度を開始し、米粉を中心にタコなどを含めた販売の促進を国内外に向けて実施してまいります。

 地域経済の新たな活力創出に向け、IT系をはじめとする企業に対して、サテライトオフィスや遊休施設の活用を通じた誘致促進に取り組んでまいります。

 商業・サービス業においては、情報発信やシティセールス、インバウンド対応による販路拡大、キャッシュレス化や店舗の個性創出など、個店の集客力及び回遊性の向上を図る取組を支援するとともに、新規出店や事業承継などの経営支援にも取り組んでまいります。

 産業創出の取組の活発化による、新たな雇用への対応として、女性、高齢者、障害者、外国人などが就業しやすい環境を整備するとともに、ターンの促進などにより、若い世代が市内で働くことができる機会を創出するなど、就労者の確保と市内居住に向け全庁を挙げて取り組んでまいります。

 また、IT人材の育成強化や大学、外国人学校などの教育機関と連携した先端的な人材育成に向けた基盤づくりにも、積極的に取り組んでまいります。

交流人口拡大への挑戦

 次に、「交流人口拡大への挑戦」についてであります。

 これまで「観光のまち三原」をめざし、来訪者の増加や賑わいの創出に取り組んでまいりましたが、さらなる交流人口の拡大をめざすためには、空・道・港の結節点である交通利便性や、三原固有の資源を徹底的に活用し、国内外からの誘客や、周遊・滞在につなげるとともに、おもてなしの環境整備や積極的な情報発信が必要であります。

 「観光が本市を支える産業の柱のひとつ」となるよう、「第2次三原市観光戦略プラン」に基づき、「観光客数」や「一人当たりの観光消費額」などの増加をめざして、取り組んでまいります。

 特に新年度は、「2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会」や大型観光キャンペーン「せとうち広島デスティネーションキャンペーン」などを契機として、インバウンドをはじめとした、観光客の受入体制の強化や、おもてなしの機運醸成により、交流人口の拡大を図ってまいります。

 受入体制の強化としては、インバウンド観光客などを対象に、三原駅から三原港までのエリアにおいて、多言語による情報発信を行うデジタルサイネージや、観光案内看板等を整備し、「まち歩き」の環境づくりを進めてまいります。

 また、本市の新たな観光推進体制整備に向け、観光推進組織の旅行商品の企画や造成、販売などの事業運営、そして組織運営を支援し、地域商社機能と観光振興機能の両輪による観光6次産業化を推進してまいります。

 観光消費額の増加に向けては、市内の宿泊施設に対して、「宿泊施設改修費等補助制度」を継続し、宿泊促進や滞在時間の延長に取り組んでまいります。

 令和3年4月の広島空港民間委託に向け、本年6月には運営事業者が決定する予定であります。民間ノウハウによる利用促進と、臨空エリアへの波及効果を本市の活性化にもつなげるため、運営事業者との連携構築に積極的に取り組んでまいります。

 国際化の推進に向けては、パーマストン・ノース市などの海外都市との交流や増加傾向にある外国人住民との多文化共生推進のため、本市では初となる国際交流員を任用いたします。

 子ども・子育て充実への挑戦

 次に「子ども・子育て充実への挑戦」についてですが、出生数の減少傾向を抑制するため、妊娠、出産、子育て期に至るまでの切れ目のない支援や、子育てをしたくなる安全・安心な環境づくり、仕事と家庭の両立支援など総合的に取り組んでまいります。

 妊娠を希望する夫婦に対する支援強化として、不妊検査費等の補助に加え、不育症の検査費及び治療費の補助制度を創設いたします。

 また、「三原版ネウボラ」である「子育て世代包括支援センター・すくすく」では、新たに「子ども家庭総合支援拠点」を設置し、専任職員の配置と一体的な運営により、子育て世代に対する切れ目のない支援や虐待の未然防止の取組を強化してまいります。

 新児童館は8月に、ペアシティ三原西館にリニューアルオープンいたします。開館時間を19時まで延長し、新たに整備する乳幼児専用ルーム、スポーツ室、学習室などを活用し、子育て親子の交流や、小・中・高校生の多様な活動、発表の場となるよう、機能拡充を図ってまいります。

 放課後児童クラブにつきましては、すべてのクラブで対象学年を6年生までに拡充いたしました。引き続き、待機児童の解消を図り、放課後の子どもの居場所づくりと、子育て世代の働きやすい環境整備に努めてまいります。

 多様な保育サービスの充実を図るため、「第3期幼稚園・保育所等適正配置実施計画」に基づき、保育ニーズの高い3歳未満児の新たな受け皿づくりを民間活力により進め、待機児童及び未入所児童の解消に取り組むとともに、保育士などの研修の充実を図り、保育の質の維持向上に努めてまいります。

 教育につきましては、県内初の試みとして、全児童生徒を対象に、基礎学力の定着状況調査に加え、学級集団内での学習意欲、社会性などを把握する調査を実施、分析することで、教員の指導力向上や授業改善を通じて、学ぶ力を育み、学力定着に取り組んでまいります。

 魅力的な教育として、各学校が「一校一貢献」を目標に、地域貢献による社会との触れ合いの中で、郷土愛を育む取組や、学校と企業が連携し、職場体験や特産品開発などを行い、地域を知るとともに、職業観や郷土愛を醸成する「キャリア教育」により、将来的なUターンの増加につなげてまいります。

 市民の健康づくりへの挑戦

 次に、「市民の健康づくりへの挑戦」についてですが、「健康長寿No.1のまち三原」をめざし、市民の意識と行動の変容を促す取組や健康寿命を延伸させる取組を推進してまいります。

 このため、「健康・食育みはらプラン」に基づき、幼少期からの食育の普及、ウオーキングや筋力づくり体操の推進、健康診査やがん検診の受診啓発による健康管理の推進、生活習慣病の発症・重症化予防、介護予防に、地区医師会等の協力を得ながら取り組んでまいります。

 また、市民のさらなる健康寿命の延伸に向け、新年度から県立広島大学と新たな協働を開始するとともに、生涯にわたり生活や就労において活躍できる「生涯活躍のまち」の推進にも協力し取り組んでまいります。

選ばれるまちへの挑戦

 次に、「選ばれるまちへの挑戦」ですが、「三原に住みたい」と思われるためには、市として必要な機能の整備と、移住希望者のニーズに合わせた支援、ターゲットを明確にしたシティプロモーションや交流から始まる関係性を高め、移住・定住へとつなげるよう、取り組む必要があります。

 本市の魅力を効果的に訴求し、市内外の住民や企業、様々な主体から「選ばれるまち」となるため、シティプロモーションを統括する広報戦略課を新たに設置し、戦略的・効果的な情報発信を行ってまいります。

 移住希望者に対しては、本市の魅力を体験してもらうための宿泊費補助や、若年層の移住者などに対する住宅取得や家賃支援など、移住者の増加に積極的に取り組んでまいります。

 さらに、地方に関心を持つ都市部の若者を対象とした体験学習ツアーを、地域と協働で開催することにより、市外から三原を応援する関係人口を創出するなど、将来の移住・定住にもつなげてまいります。

 まちの魅力向上につながる中心市街地活性化につきましては、長年の課題でありました駅前東館跡地の新たな活用として、新図書館や宿泊施設、商業・駐車場施設の整備が完了し、7月末にオープンいたします。

 また、隣接するペアシティ三原西館も児童館や生涯学習機能を備えた、新たな活用に向けた改修工事も同時期の完了をめざしております。

 本市の玄関口であるJR三原駅前の新たな集客拠点として、また「人が集まり、賑わいにつながる場所」として、市内外の多くの皆さまに利用され、周辺エリアと連携し、中心市街地に波及効果をもたらすよう、取り組んでまいります。

 三原市起業化促進連携協議会による産学官金の連携や、まちづくり三原の機能強化により、空き物件情報の発信、創業希望者とのマッチング、リノベーションによる空き物件の活用等、活性化に向けた様々な取組を関係機関とともに実施してまいります。

 これらの取組に対する財政支援として、新年度には、民間都市開発推進機構と市内金融機関との連携による「まちづくりファンド」が創設されます。このファンドとも連携し、既存の助成制度と併せ、総合的に取り組んでまいります。

 中心市街地活性化基本計画につきましては、現計画が新年度末で終了することから、新たな計画を策定し、民間も含めた各種事業の推進により、賑わいの再生・活性化に取り組んでまいります。

 また、人口減少の主原因である若年層の転出について調査、分析し、総合戦略において、効果的な対策の実施に向けて検討してまいります。

 「長期総合計画・後期基本計画」の基本目標に基づく方針

 次に、令和2年度に取り組む、そのほかの事業を「長期総合計画・後期基本計画」の基本目標に基づき、その方針を中心にご説明いたします。

基本目標1「新しい三原をつくる協働のまち」

 まず、基本目標1「新しい三原をつくる協働のまち」であります。

  「人権・男女共同参画」につきましては、市民一人ひとりの人権が尊重され、誰もがいきいきと生活できている社会をめざし、インターネット上の差別書込みの監視などに取り組むとともに、男女がお互いを尊重し、個性と能力を十分に発揮できる環境づくりに向け、啓発等に取り組んでまいります。

 「元気な地域」につきましては、三原市地域経営方針に基づき、地域活動の活性化を図るため、地域の将来像を定める地域ビジョンの策定を支援し、ビジョンに基づく活動を支援してまいります。

基本目標2「地域の文化と多様な人材を育むまち」

 次に、基本目標2「地域の文化と多様な人材を育むまち」であります。

 まず、「教育」につきましては、 教育環境の充実のため、国が示すギガスクール構想に沿って、児童生徒一人1台の学習者用情報端末導入に着手するとともに、すべての小中学校に、高速大容量回線に対応した、情報通信ネットワークを整備してまいります。

 また、児童生徒の成績、学級編制や、教職員の出退勤等の情報を一元処理する校務支援システムを導入し、学校業務の効率化を支援するとともに、教員の指導力向上を図ってまいります。

 生涯学習につきましては、ペアシティ三原西館内への老人大学移転に合わせ、「みはら市民大学」に改称するとともに、この施設を中核とし、市内各施設も活用することにより、市民が時代の進展に対応しながら自らの生きがいを求めて学習する場の一層の充実に取り組んでまいります。

 また、新図書館では、図書館機能の充実に加え、多様な利用者のニーズに対応したサービスを提供するとともに、駅前立地という特性を活かし、周辺への波及効果の創出や多くの人に愛される図書館をめざしてまいります。

 文化につきましては、今年度、本市の文化振興を担う「一般財団法人みはら文化芸術財団」が立ち上がり、新年度からは、芸術文化センター「ポポロ」の運営を開始いたします。今後は、財団と協働でポポロを文化芸術の拠点としてだけでなく、観光振興や福祉等に貢献する新たなまちづくりの活動拠点として活用してまいります。

 このように、学校における教育、生涯学習、文化やスポーツの充実及び振興につきましては、教育委員会と調整、協議を図りながら、必要な支援を行ってまいります。

基本目標3「多様な産業と多彩な交流による活力あるまち」

 次に、基本目標3「多様な産業と多彩な交流による活力あるまち」であります。

 「交流・連携基盤」につきましては、木原道路が新年度に開通する見込みとなっており、渋滞の解消に加え、異常気象時における代替路の確保、物流の効率化などによる地域産業の活性化や観光振興など、多くの効果がもたらされるものと期待しております。

 また、令和3年度の完成に向け、「円一皆実線街路整備事業」を推進するとともに、市道整備による快適で安全な道路網の形成を図ってまいります。

 さらに、中心市街地活性化にも期待される内港再生に向けて、基本構想の検討に着手いたします。

 基本目標4「健やかに暮らせる人に優しいまち」

 次に、基本目標4「健やかに暮らせる人に優しいまち」であります。

 「健康・医療」につきましては、医療ニーズが多様化する一方、医師不足や高齢化の課題があるため、周産期医療及び小児救急医療、地域医療体制の維持に向けて、地区医師会などと、より一層の連携を図ってまいります。

 「福祉・介護」につきましては、「第7期高齢者福祉計画・介護保険事業計画」が新年度で終了するため、令和3年度からの「第8期計画」を策定いたします。

 また、認知症施策の推進のため、予防に取り組むとともに、認知症であっても、地域で希望をもって暮らせるよう、市民理解や環境整備に努めてまいります。

 障害者福祉につきましては、地域の実情に即した「第6期障害者プラン」を策定するとともに、2箇所目の地域生活支援拠点等の整備に取り組んでまいります。

 生活困窮世帯の子どもに対する学習支援事業を拡充し、新たに本郷地域において実施いたします。

 生活保護制度においては、受給者の健康管理と医療扶助費の適正化を図る取組を開始いたします。

 また、国民健康保険事業につきましては、医療費適正化対策などを通じた、安定的な制度運営と効率的な事業の推進を図り、介護保険事業につきましては、高齢者の自立支援・重度化防止と給付の適正化に取り組み、持続可能な制度運営に努めてまいります。

 基本目標5「安心して快適・安全に住み続けられるまち」

 次に、基本目標5「安心して快適・安全に住み続けられるまち」であります。

 平成30年7月豪雨災害からの早期復旧は、本市にとって最優先に取り組むべき課題であります。新年度は、国の国庫負担の財源確保が可能な期間3年の最終年度となることから、災害復旧推進室を中心に、1日も早い復旧をめざし全力で取り組んでまいります。また、被災者の住まいの確保については、応急修理制度及び、応急仮設住宅、市営住宅等の提供を継続し、被災者の生活再建を支援していくとともに、心身のケア等についても「地域支え合いセンター」による訪問やコミュニティ支援などにより、きめ細やかな対応を継続してまいります。

 全国で災害が相次いで発生している中、災害時における防災体制のさらなる強化が必要であり、情報伝達手段の強化として、コミュニティFM放送の不感地域対策や、災害時における有線接続地域の断線対策にも取り組んでまいります。

 また、新たに自主避難所開設運営謝金制度を創設し、避難所運営の担い手確保に努めるとともに、防災・減災の強化を図るため急傾斜地崩壊対策事業や河川整備などを推進してまいります。

 次に、「生活の安全安心」につきましては、消防・救急体制の整備として、大和出張所移転に向けての設計委託、通信指令システムの更新等、消防施設の充実強化を図ってまいります。

 「環境」につきましては、第2次環境基本計画に基づき環境保全や地球温暖化の防止に向けた温室効果ガスの削減、省エネルギー化の推進や再生可能エネルギーの導入促進などに取り組んでまいります。

 また、循環型社会の形成に向け、令和3年3月の供用開始をめざし、不燃物処理工場の更新に取り組むとともに、収集体系についても見直しを行ない、引き続きごみの減量化、再資源化を推進してまいります。

 「生活基盤」につきましては、新斎場建設は、本年10月の供用開始に向け、建設工事を進めるとともに、管理運営体制の整備を進めてまいります。

 また、公共施設が充実した良好な住環境の形成を図るため、東本通土地区画整理事業の推進を強化してまいります。

 さらに、公園利用者の利便性や安全性を確保するため、都市公園施設の計画的な更新を進め、本郷産業団地内に防災機能を備えた、「(仮称)船木防災公園」の基本計画を策定いたします。

 新年度から、公共下水道事業、農業集落排水事業、漁業集落排水事業、小型浄化槽事業は、事業運営の効率化や健全化を図ることを目的に、特別会計から公営企業会計に移行し、一体的な汚水処理対策を行ってまいります。

 快適・安全な住まいづくりとしては、空家等対策計画に基づく生活環境の保全等を図るとともに、「空き家活用モデル」を創出する支援事業を新設し、空き家の活用に取り組んでまいります。

 持続可能な公共交通網の形成につきましては、バス路線、地域コミュニティ交通、定期航路など、市民生活を支える移動手段を確保するために必要な支援を行うとともに、地域公共交通を市民一人ひとりが守るという意識の醸成や、新たな関連技術の導入検討を行ってまいります。

 計画の実現に向けて

 最後に、「計画の実現に向けて」であります。

 「効果的・効率的な行財政運営」につきましては、令和6年度までの行財政改革実施計画に基づき、歳出削減や歳入確保に努めるとともに、後期基本計画策定にあたり整理した施策体系を活用し、事業の選択と集中を図ってまいります。

 「公共施設等マネジメント」につきましては、ペアシティ三原西館の再編並びに久井支所の移転に取り組んでまいりましたが、引き続き、一定のエリアでの公共施設再編について整理してまいります。

  こうした取組のため、令和2年度一般会計予算につきましては、527億7,600万円とし、平成31年度と比較して25億7,900万円、%の増となっております。

 予算規模といたしましては、災害復旧費の増加により、過去最大であった昨年度を上回っております。

 一昨年の豪雨災害からの復旧・復興に全力をあげて取り組んでいるところでありますが、毎年のように全国各地で自然災害が発生している中、防災・減災にも市民の皆さまと一緒に、取り組んでいく所存であります。

 以上、私の考えと令和2年度予算における重点施策の概要について申し上げました。

 新年度は、私の2期目の4年目となりますが、この間、大きな都市・生活基盤施設の整備や、瀬戸内三原築城450年事業を始めとした観光振興など、多くの取組につきまして皆さまのご協力のもと進めることができましたが、これらをさらに進めることが必要な一年と考えております。

 昨年5月からは、新庁舎での業務を開始いたしましたが、これからは一層、施設に負けないサービスの向上を図ることが必要であります。

 また、7月には駅前東館跡地を中心とした再開発が完成いたしますが、本来の目的である中心市街地活性化に、いかにこの整備を活かしていくかが重要であります。

 本郷産業団地第1期造成区画も9月に完成いたしますが、市としては進出する企業の支援とともに、働く人たちの支援や移住・定住に向けた取組が重要となります。

 観光振興に向けては、空港民間委託やデスティネーションキャンペーン、観光推進組織の設立など、新たな動きも踏まえ、推進していくことが必要であります。 新年度では、これらを始めとし、これまでの投資や取組を活かすためにも、様々な取組について、成果へのつながりをしっかりと意識しながら、創意工夫を重ね、相乗効果が得られるよう、着実に取り組む一年としてまいります。

 また、今回策定いたしました長期総合計画や総合戦略などの実現を図ることで、人口減少を甘んじて受け入れるのではなく、減少の抑制にチャレンジするとともに、市民の皆さまが、将来の三原に夢と希望を持ち、「住みたい、住み続けたい」と思える、そして、未来を支える子どもたちから、「三原に帰りたい、三原で活躍したい」と思われるまちづくりに、市民を始め、企業や大学、各種団体と協力し、引き続き、全力で取り組んでまいります。


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