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三原のたこ漁

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年2月17日更新

たこ

「三原のうまいもの」といえば「たこ」。「たこ天」,「たこの刺身」,「たこせん」など「たこ」をそのままいただいたり,加工したりと「たこ」の食べ方はさまざまです。
 また,「三原周辺ではたこがよく獲れる」ことも「たこはたこつぼをで捕る」ことも,皆さんご存じでしょう。でも実際「たこ」を捕っているところを見るチャンスはなかなかありません。そこで今回は三原漁業協同組合にお願いして,「たこ漁」の取材を行いました。
 また,たこを使ったお菓子を作っている「ゑびす家」さんに聞いた話はこちらをクリック

原弘組合長岸さん

原   弘さん                      岸徳夫さん

いざ出港!

 取材当日は平成15年7月29日の早朝,天気は曇りでした。
 朝4時30分に古浜の港に集合し,岸さんの船に原さんと共に同船しました。
 4時35分出発!周りはまだ真っ暗で,船の進行方向も定かには見えません。そんな状況にも岸さんは巧みな舵さばきで漁場へ船を向かわせます。
 5時頃たこつぼを仕掛けたポイント(須波西町沖)につきました。 

この漁船に乗り込みます

さあたこ漁!

仕掛けを探す岸さん

 早速沈めているたこつぼを探す岸さん。船を操るのは原さん。
 たこつぼの仕掛けは一本1000m近くあり,その両端と真ん中の位置は,島と山の位置から割り出すそうです。
 他の地域では,通常両端にブイを結びつけて目印としていますが,なぜ三原ではブイを付けないのでしょうか?「こんなに船が多く通過するところでそんなことしたら,すぐ引っかけられてしまうわ」と岸さん。船の通行量の多い瀬戸内海で,数多くの仕掛けを投入するためのアイデアのようです。我々は気付いていませんが,三原沖にはたくさんのたこつぼが仕掛けられているのです。

つぼから出てくるたこ

 海底のたこつぼの仕掛けを探し,引っかける作業は,長年の勘がものを言います。「まあ,あんたらやったら一日たってもできんわな。」
 そんな作業を岸さんはものの2~3分ですませ,引き上げ作業に入ります。
 次々に引き上げられるたこつぼ。たこつぼは約10m間隔で付けられており,約100個のたこつぼを上げることになります。
 「なかなかいないもんだな」と思い始めたとき,ようやくたこつぼから1匹でてきました。
 「たこ」ってゆっくり動くイメージがありませんか?てっきりたこつぼからゆっくりでてきて,のっそり動くものとばかり思っていたら,その動きの早いこと!素早く出てきて,甲板上を滑るように動きます。そのたこをこれまた素早く捕まえてイケスへ入れる原さん。バッチリシャッターチャンスを逃しました。

たこつぼを手際よく引き上げる岸さん   つぼの中からにょろり   

甲板を滑るように移動するたこ

 再度投入することを想定して整然と積まれるたこつぼ。
 その中から出てくる大きなタコ。
 結局,6匹のたこが獲れました。「一本の仕掛けから多いときで40~50匹は獲れるよ」と原さん。とすると今日はやや不漁だったようです。
 それでも,獲れた中での一番の大物は約1.5kg。「今までで一番の大物は4kgはあったな」と原さん。
 仕掛けを上げきった時,時刻は5時25分でした。そして,その間夢中になってシャッターを切っていた私は周りを見て「ここはどこ?」。仕掛けの長さが1kmあり,それを上げながら船も移動していることに気づくのにそんなに時間は掛かりませんでした。

上げたたこつぼを整然と積みます

作業は整然と

 たこつぼを豪快に海へ放り込みます

そして,また,最初のポイントに戻り,仕掛けを投入していきます。今度は原さんが投入し,岸さんが船を操ります。
 「仕掛けのポイントは大事や」と船を巧みに操ります。
 約10分で仕掛け作業は終わりました。
 通常の漁だと4~5本上げるそうで,一連の作業もその数だけ繰り返されます。
 6時10分帰港。

獲れたたこはイケスにいれます たこの生態についてはこちら

漁を終えて

 漁の後,原さんと岸さんにインタビューしました。

たこ漁歴は?
 岸さん「15歳から船に乗っているから,もう50年を超えたな」
 原さん「わしも15歳から乗っているで」
 お二人とも現在は,たこ漁専門です。岸さんは以前海苔の養殖もやったことがあり,原さんはサワラ漁も長年やっていたそうです。

たこ漁の方法は昔と変わりませんか?
 原さん「方法はまったく変わってないね。ただたこつぼは昔は焼き物だったけど,今はプラスチックになっとるで」
 プラスチックのほうが丈夫で長持ちとのことです。

たこの漁獲量は?
 原さん「確かに以前と比べると間違いなく減ってきているけど,昨年は自分が漁に携わるようになってから記憶にないほど良く獲れたね。」

たこ漁のスケジュールは?
 岸さん「3月と9月は漁をせず,壺を上げて掃除するんじゃ。あとは年中やってるよ。最盛期は8月だね。」
 原さん「たこはきれい好きじゃから,壺はきれいにしとかんと。きれいな壺と,そうでない壺ではたこの入りが全然違うで。」

たこ漁師の一日は?
 岸さん「わしの漁場は近い方だから4時半ごろでるけど,早い者は3時半にはでているね。返ってくるのは10時から11時くらいで,大体夜の8時には寝てしまうんじゃ。カープがある日は別じゃがの。」

たこの食べ方について
 原さん「漁師もたこ天やたこ飯,刺身などにして食べるで。特にたこ天は一度冷凍してから揚げるととても軟らかくなるんで。」
 冷凍してからのたこ天を,私も食べましたが,確かにやわらかく味もGood!ぜひ皆さん試してみてください。

たこの生態について
 原さん「たこは何でも食べるし,怖いもの知らず。畑の芋まで食べると聞いたことがある。また,たこは周囲の色と同化するので,砂地にいるたこは白いし,藻の中にいるたこは黒っぽいよ」

たこ漁の後継者は?
 岸さん「全盛期は20人以上たこ漁師がいたけと,今は13人くらいになってしもうた。一番若い者でも50代半ばじゃから」
 原さん「最長老は前組合長で,もう80歳は超えているな。後継者ははっきりいっていないよ。こんな不安定でしんどい仕事を子どもたちにやってもらいたいとは思わない。もう10年たったらたこ漁も終わりかもしれんな。」
 たこ漁の将来について語る原さんの言葉には,さみしさが隠せません。漁師自体が減っていく中で,たこ漁に携わる人も確実に減り,また高齢化している実態は,単に世の中の流れとしてかたづけていいものでしょうか。

取材を終えて

  三原の名物を考えたとき,「たこ」が一番最初に浮かびました。そこで原さんに取材を申し込みました。
 しかし最初は,「狭い船の上で取材されたら,漁の邪魔になるの~。」と渋られましたが,三原のたこを語る上で,「たこ漁」の取材が欠かせないことを説明したところ,特別にこの取材の為に仕掛けを一本上げてくれました。原さん,岸さんありがとうございました。
 漁では,一つひとつの作業が,正確にまた整然と行われていきます。それは伝統と,経験に裏打ちされた名人芸です。でもそんなたこ漁の将来も明るくないようです。組合長の言葉にあったように,後継者問題は深刻です。「伝統あるたこ漁」の火を消したくないと思わずにはいられませんでした。
 「たこ」は,三原が持っている財産です。「たこ」をもっと全国に自慢しようではありませんか。

ここで,三原で船釣りが楽しめる遊漁船を案内します。

申込先通常釣れる魚
三原漁業協同組合
三原市古浜一丁目11番1号
電話 0848-62-3056
4~7月8~11月
たこ
べら
ぐち
きす
たこ,べら
ぐち,きす
かれい
たい,太刀魚
幸崎漁業協同組合
三原市幸崎能地四丁目9番13号
電話 0848-69-0032
2~4月5~7月8~10月11~1月
ほご
めばる
たこ
えそ
きす
とらはぜ
ほご
ぐち
きす,さば
とらはぜ
とらはぜ
ほご
めばる