○三原市水源保全条例

令和6年6月27日

条例第24号

(目的)

第1条 この条例は、市の区域における公共用水域及び地下水に係る水質の汚濁を防止し、水質を保全することによって、市民の生命及び健康を守り、良好な水源を将来の世代に引き継ぐこと、また、特定の施設の設置等について、特定の事業者及び関係住民との間における紛争の予防及び調整を図り、周辺の環境に配慮した安全な施設の設置及び適切な管理運営により、市民の良好な生活環境の保全に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 特定施設 水質の汚濁の原因となる物質に汚染された水を排出するおそれがある事業の用に供する施設で次に掲げるものをいう。

 水質汚濁防止法(昭和45年法律第138号)第2条第8項に規定する有害物質使用特定施設

 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(昭和46年政令第300号)第7条第14号に規定する産業廃棄物の最終処分場

 その他市長が水質の汚濁のおそれがある施設として指定する施設

(2) 排水目標 良好な水質を保持するため、市が設定する排出水及び地下浸透水の汚染状態の目標値で、人の健康に係る被害が生ずるおそれがある物質による汚染状態にあっては排出水及び地下浸透水に含まれる当該物質の種類、それ以外の排出水及び地下浸透水の汚染状態にあってはその汚染状態を示す項目ごとに規則で定めるものをいう。

(3) 排出水 特定施設から次条に規定する適用地域の公共用水域に排出される水をいう。

(4) 地下浸透水 特定施設から地下に浸透する水をいう。

(5) 特定事業者 特定施設の設置、管理運営等を行おうとする又は行う者をいう。

(6) 関係地域 特定施設の設置及び変更(以下「設置等」という。)に伴い、生活環境の保全上の支障が生ずるおそれがある地域として、第9条第1項の規定により市長が定める地域をいう。

(7) 関係住民 関係地域内に居住する者その他利害関係を有する者をいう。

(8) 関係法令 水質汚濁防止法、瀬戸内海環境保全特別措置法(昭和48年法律第110号)、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)その他水質に関する法令をいう。

(適用地域)

第3条 この条例の適用地域は、市の区域とする。

(市の責務)

第4条 市は、水源の保全に関する必要な施策を実施するものとする。

2 市は、特定施設の設置等が適正かつ円滑に行われるよう、特定事業者に対して関係地域の生活環境の保全に十分配慮するよう指導又は助言を行い、関係住民に対して特定施設の設置等の内容の周知に努めるとともに、特定事業者及び関係住民との間における紛争の予防及び調整に努めなければならない。

(特定事業者の責務)

第5条 特定事業者は、特定施設においてその事業活動を行うに当たっては、これに伴って生ずる水質の汚濁を防止するために必要な措置を講ずるとともに、市が実施する水源の保全に関する施策に協力しなければならない。

2 特定事業者は、特定施設の設置等に際し、関係地域の生活環境の保全に十分配慮するとともに、関係住民に対し、正確かつ誠実に当該特定施設の設置等に関する情報を提供することにより、紛争を未然に防止するよう努めなければならない。

3 特定事業者は、関係住民の立場を尊重し、紛争が生じたときはその解決に努めるとともに、紛争の予防及び調整に関して市が行う施策に協力するよう努めなければならない。

(関係住民の責務)

第6条 関係住民は、特定事業者の立場を尊重し、紛争が生じたときはその解決に努めるとともに、紛争の予防及び調整に関して市が行う施策に協力するよう努めなければならない。

(排水目標の遵守)

第7条 特定事業者は、特定施設からの排出水及び地下浸透水について排水目標を遵守しなければならない。

(事業計画書の提出)

第8条 特定事業者は、特定施設を設置等しようとするときは、当該特定施設の設置等に関する計画(以下「事業計画」という。)を記載した書類(以下「事業計画書」という。)を規則で定める日までに市長に提出しなければならない。

(関係地域の設定)

第9条 市長は、前条の事業計画書の提出があったときは、生活環境の保全上の支障が生ずるおそれがある地域を関係地域として定めるものとする。

2 市長は、前項の規定により関係地域を定めたときは、速やかにその旨を特定事業者に通知するものとする。

(事業計画書の閲覧)

第10条 市長は、前条第2項の規定による通知をしたときは、遅滞なく、当該通知の内容、事業計画書の提出があった旨、閲覧の場所その他規則で定める事項を告示し、当該事業計画書を告示の日から30日間、閲覧に供しなければならない。

(事業計画説明会の開催等)

第11条 特定事業者は、第9条第2項の規定による通知を受けたときは、速やかに、関係住民を対象とした事業計画についての説明会(以下「事業計画説明会」という。)を開催しなければならない。

2 特定事業者は、事業計画説明会を開催することを決定したときは、速やかに、その旨を市長に通知しなければならない。

3 特定事業者は、第1項の事業計画説明会を開催するに当たっては、事前に開催の趣旨、開催日時、開催場所等を記載した文書を回覧する等関係住民に周知を図るとともに、地区ごと、複数回の開催等必要な措置を講じなければならない。

4 特定事業者は、事業計画説明会を開催できない正当な理由があるときは、第1項の規定にかかわらず、事業計画説明会に代わる方法によって、関係住民に事業計画の内容を説明することができる。

5 市長は、関係職員を事業計画説明会に立ち会わせることができる。

(事業計画説明会等実施状況の報告)

第12条 特定事業者は、前条第1項から第4項までの規定により、関係住民に対し事業計画について周知を行ったときは、速やかに、その実施状況について市長に報告しなければならない。

(意見書の提出)

第13条 関係住民は、第8条の事業計画について、生活環境の保全の見地からの意見を記載した書面(以下「意見書」という。)を特定事業者に提出することができる。

2 前項の意見書の提出期限は、第11条の規定による事業計画説明会(事業計画説明会が複数回開催された場合にあっては、それぞれの事業計画説明会)が開催された日から起算して14日を経過する日とする。

3 特定事業者は、第1項の意見書の提出があったときは、速やかに、その写しを市長に送付するものとする。

(意見に対する見解の周知等)

第14条 特定事業者は、前条第1項の意見書の提出があったときは、説明会の開催その他の方法により、関係住民に対し、当該意見書に対する見解について周知を図らなければならない。

2 特定事業者は、前項の規定により、関係住民に対し当該見解の周知を行ったときは、速やかに、その実施状況について市長に報告しなければならない。

(事業計画書の変更の届出)

第15条 特定事業者は、事業計画書の内容を変更して特定施設の設置等を行おうとするときは、規則で定める日までにその旨を市長に届け出なければならない。

2 第9条から前条までの規定は、前項に規定する事業計画書の変更について準用する。ただし、当該変更が軽微な変更である場合は、この限りでない。

(事業計画の廃止の届出等)

第16条 特定事業者は、事業計画を廃止しようとするときは、遅滞なく、その旨を市長に届け出なければならない。

2 市長は、前項に規定する届出があったときは、遅滞なく、事業計画の廃止の旨を告示しなければならない。

(生活環境保全協定の締結)

第17条 市長は、事業計画書の内容を確認した上で、生活環境保全協定を締結する必要があると認めるときは、特定事業者と関係住民との間において、特定施設の設置等に関し、生活環境の保全上必要な事項を内容とする協定(以下「生活環境保全協定」という。)を締結するよう特定事業者及び関係住民に求めることができる。

2 特定事業者及び関係住民は、前項の規定による生活環境保全協定の締結の求めがあったときは、生活環境保全協定を締結するよう努めなければならない。

3 市長は、紛争の予防に寄与すると判断したときは、生活環境保全協定に参加することができる。

4 市長は、生活環境保全協定の締結に際し、その内容について助言等必要な取組を行うことができる。

5 特定事業者は、生活環境保全協定を締結したときは、遅滞なく、当該生活環境保全協定に係る書面の写しを市長に提出しなければならない。

(地位の承継)

第18条 合併、営業の譲渡、相続その他の事由により特定事業者の地位を承継しようとする者は、当該特定施設に係るこの条例に規定する全ての地位についても承継しなければならない。

2 特定事業者の地位を承継しようとする者は、その旨を市長に届け出なければならない。

3 市長は、前項に規定する届出があったときは、遅滞なく、特定事業者の地位の承継について告示しなければならない。

(手続の省略)

第19条 市長は、事業計画書の内容等から適当と認める場合は、第9条から第14条までに規定する手続の全部又は一部を省略することができる。

(合意形成のための調整)

第20条 市長は、特定事業者及び関係住民相互の努力にもかかわらず、合意形成に至らないときは、生活環境の保全上の助言を行い、特定事業者及び関係住民の合意が得られるよう努めるものとする。

(特定事業者への勧告等)

第21条 市長は、関係地域の生活環境の保全に関し、次の各号のいずれかに該当するときは、特定事業者に対して必要な指導又は助言を行うことができる。

(1) 事業計画書の提出をせず、又は虚偽の事業計画書の提出をしたとき。

(2) 正当な理由がなく事業計画説明会の開催をしないとき。

(3) 正当な理由がなく意見に対する見解の周知を行わないとき。

(4) 第7条の排水目標を超える排水をしているとき。

(5) 正当な理由がなく生活環境保全協定の内容を履行しないとき。

(6) 前各号に掲げるもののほか、この条例に規定する手続の全部若しくは一部を正当な理由がなく行わず、又は不正若しくは不誠実な方法によりこれを行ったとき。

2 市長は、特定事業者が前項の規定により行った指導に従わないときは、当該特定事業者に対し、相当の期間を定めて、必要な措置を講ずべきことの勧告をするものとする。

(公表)

第22条 市長は、前条第2項の規定による勧告を受けた者が、正当な理由なく、当該勧告に従わないときは、あらかじめその者に意見を述べる機会を与えた上で、その旨を公表することができる。

(立入検査等)

第23条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、排出水及び地下浸透水の汚染状態その他の必要な事項について報告を求め、指定する職員に特定施設若しくは当該特定施設の敷地に立ち入り、施設、施設の設計図書、帳簿書類その他必要な物件を検査させ、又は関係者に質問させることができる。

2 前項の規定により当該職員が立ち入るときは、市長が指定したことを証するものを携帯し、関係者に提示しなければならない。

3 第1項の規定による立入検査は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

(水質検査)

第24条 市長は、水質の汚濁又は汚濁のおそれがあると認められるときは、特定施設周辺の公共用水域等において、必要に応じて水質検査を実施するものとする。

(三原市水源保全委員会)

第25条 市長は、水源の保全に関する重要事項について意見を聴くため、三原市水源保全委員会(以下「委員会」という。)を置く。

2 委員会は、委員4人以内で組織し、委員は法律又は水質等に係る専門知識を有する者のうちから市長が委嘱する。

3 委員の任期は、2年とし、再任を妨げない。ただし、委員に補欠が生じたときの委員の任期は、前任者の残任期間とする。

4 前3項に定めるもののほか、委員会に関し必要な事項は、規則で定める。

(適用除外)

第26条 この条例の施行の際現に特定施設において事業活動を行っている又は関係法令に基づく申請書等が提出され、審査中の特定施設に係る特定事業者については、当該特定事業者(合併、営業の譲渡、相続その他の事由により特定事業者の地位を承継した者を含む。)が引き続いて当該特定施設において事業活動を行っている間は、規則で定める当該特定施設の構造又は設備等の大規模な変更を行う場合を除き、第8条から第14条まで及び第17条の規定は、適用しない。

(関係機関への要請)

第27条 市長は、国、県知事及び隣接する地方公共団体の長に対し、水源の保全に関し必要な施策を講ずるよう要請することができる。

(委任)

第28条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、令和6年10月1日から施行する。

(三原市非常勤職員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)

2 三原市非常勤職員の報酬及び費用弁償に関する条例(平成17年三原市条例第45号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

三原市水源保全条例

令和6年6月27日 条例第24号

(令和6年10月1日施行)

体系情報
第8編 生/第5章 環境保全/第2節 環境美化
沿革情報
令和6年6月27日 条例第24号