○三原市三河ダム及びかんがい用水条例施行規則
平成27年3月31日
規則第10号
目次
第1章 総則(第1条―第3条)
第2章 貯水池の水位等(第4条―第7条)
第3章 ダム等の管理の原則
第1節 流水の貯留及び放流の方法(第8条―第12条)
第2節 放流の際にとるべき措置等(第13条―第15条)
第4章 洪水時等における措置(第16条―第18条)
第5章 点検・整備等(第19条―第22条)
第6章 かんがい用水の使用料等(第23条―第29条)
附則
第1章 総則
(趣旨)
第1条 この規則は、三原市三河ダム及びかんがい用水条例(平成26年三原市条例第31号。以下「条例」という。)の施行に関し、必要な事項を定めるものとする。
(管理主任技術者)
第2条 三河ダム(堤体、取水施設、放流施設、電気施設その他付帯設備を含む。以下「ダム」という。)の操作、ダム及び貯水池の管理については、河川法(昭和39年法律第167号。以下「法」という。)第50条第1項に規定する管理主任技術者を1人置く。
(定義)
第3条 この規則において「洪水」とは、貯水池への流入量(以下「流入量」という。)が10m3/s以上であることをいい、「洪水時」とは、洪水が発生しているときをいう。
2 この規則において「洪水警戒時」とは、ダムに係る直接集水地域の全部又は一部を含む予報区を対象として暴風雨警報又は大雨警報が発せられ、その他洪水が発生する恐れが大きいと認められるに至った時から洪水時に至るまで、又は洪水時に至ることがなく、これらの警報が解除されるか、若しくは切り替えられ、その他洪水の発生する恐れがないと認められるまでに至るまでの間をいう。
3 この規則において「洪水処理時」とは、洪水警戒時中洪水時が終わったときから洪水警戒時が解除されるまで、又は解除されることなく貯水池への流入量が再び増加し、洪水時に至るまでの間をいう。
第2章 貯水池の水位等
(ダム及び貯水池の諸元等)
第4条 ダム及び貯水池の諸元その他これに類するダム及び貯水池の管理上参考となるべき事項は次のとおりとする。
(1) ダム
ア 高さ 28.20m
イ 堤頂の標高 EL 354.20m
ウ 洪水吐
型式 直線越流型
越流頂の標高 EL 350.10m
越流幅 30.00m(有効堰長28.00m)
エ 取水施設
取水ゲート 内径0.75m×0.75mのスライドゲート5門
導水管 内径0.80m
取水放流ゲート 内径0.80mのバタフライバルブ1門
オ 河川放流ゲート
主ゲート 内径0.55mのジェットフローゲート1門
副ゲート 内径0.55mのスルースバルブ1門
カ 河川維持放流ゲート
主ゲート 内径0.15mのジェットフローゲート1門
副ゲート 内径0.15mのスルースバルブ1門
キ 設計洪水流量 200m3/s
(2) 貯水池
ア 直接集水域の面積 6.30km2
イ 湛水区域の面積 0.22km2
ウ 最大背水距離 1.30km
エ 設計洪水位 EL 352.50m(水位計による表示 EL 352.50m)
オ 常時満水位 EL 350.10m(水位計による表示 EL 350.10m)
カ 最低水位 EL 336.60m(水位計による表示 EL 336.60m)
キ 有効貯水容量 1,580千m3(総貯水量1,660千m3)
(3) 最大取水量
期別 | 4月16日から5月10日まで | 5月11日から9月15日まで | 9月16日から10月31日まで | 年間総取水量 |
取水量 | 1.258m3/sec | 0.504m3/sec | 0.004m3/sec | 2,080千m3 |
(貯留期間及びかんがい期間)
第5条 貯留期間及びかんがい期間は、次のとおりとする。
(1) 貯留期間 1月1日から12月31日まで
(2) かんがい期間 4月16日から10月31日まで
(貯水位の算定方法)
第6条 貯水池の水位(以下「貯水位」という。)は、取水施設に併設する水位計(以下「貯水池内水位計」という。)の測定結果に基づいて算出するものとする。
(流入量の算定方法)
第7条 流入量は、これを算定すべき時を含む一定の時間における貯水池の貯水量の増分と当該一定の時間における貯水池からの延べ放流量との合算量を当該一定の時間で除して算定するものとする。
第3章 ダム等の管理の原則
第1節 流水の貯留及び放流の方法
(常時満水位)
第8条 貯水池における流水の貯留は、洪水吐越流頂からの自然越流によって貯留される場合を除くほか、常時満水位350.10mを越えて貯留してはならない。
(取水及び流水の貯留の原則)
第9条 貯水池における流水の貯留は、次の要件に適合するものでなければならない。
(1) 貯水池における流水の貯留は、ダム地点における大草川の流量が次に示す貯留制限流量を超える場合に限り、その超える部分の範囲内において行うものとする。
通年:0.0823m3/s
(2) その他、この水利使用に係る権限の発生前に、その権限が生じた他の水利使用及び漁業に支障を生じないようにしなければならない。
(放流の開始及び放流量の増減の方法)
第10条 放流ゲートからの放流は、下流の水位に急激な変動が生じないように別表第2に定めるところによってしなければならない。
(1) 自然放流されるとき。
(2) 下流における他河川の使用のため必要な河川の流量を確保する必要があるとき。
(4) ダム及び貯水池内の施設又は工作物の点検又は整備を行うため特に必要があるとき。
(5) その他やむを得ない必要があるとき。
第2節 放流の際にとるべき措置等
(放流の際の関係機関に対する通知)
第13条 法第48条の規定により行う関係機関に対する通知は、ダムの洪水吐からの越流、放流ゲートからの放流(以下「ダム放流」という。)により、下流河川の水位が急激に上昇する恐れがある場合に、ダム放流開始(ダム放流の中途におけるダム放流の著しい増加を含む。)の少なくとも1時間前に関係機関に対して、河川法施行令(昭和40年政令第14号。以下「令」という。)第31条の規定により行うものとする。
(放流の際の一般に周知させるための措置)
第14条 法第48条の規定による一般に周知させるための必要な措置は、ダム地点から川峡川合流地点までの大草川の区間について執るものとする。
(1) ダム地点に設置されたスピーカによる警告にあっては、ダム放流開始の約30分前に約3分間
(2) ダム地点以外の地点に設置されたスピーカによる警告にあっては、ダム放流により当該地点における大草川の水位の上昇が開始されると認められるときの約30分前に約3分間
(3) 警報車の拡声器による警告にあっては、前項の区間に含まれる各地点について、ダム放流により当該地点における大草川の水位の上昇が開始されると認められるときの約15分前
(1) 操作又は放流の理由
(2) 開閉した放流ゲートの名称、各回の開閉を始めた時刻及びこれを終えた時刻並びにこれを終えた時におけるその開度
(3) 放流量の経時変化
(4) 放流ゲートの各回の開閉を始めたとき及びこれを終えたときにおける貯水位・流入量及びダムの放流量
(5) 法第48条の規定による通知及び令第31条の規定による警報の実施状況
第4章 洪水時等における措置
(洪水警戒体制)
第16条 洪水警戒時には、次の各号に掲げる措置を執らなければならない。
(1) 洪水時においてダム及び貯水池を適切に管理することができる要員を確保すること。
(2) ダムを操作するために必要な機械及び器具(受電及び受電した電気の使用ための電気設備並びに予備電源設備を含む。)、法第45条の観測施設、法第46条第2項の通報施設、令第31条の規定により警報するためのスピーカ及び警報車並びに夜間に外で洪水時の作業を行うため必要な機械、器具及び資材の点検及び整備を行うこと。
(3) 気象官署が行う気象観測の成果を的確かつ迅速に収集し、最大流入量その他の流入量の時間的変化を予測すること。
(4) 関係機関に対し、その旨を連絡するものとする。
(5) その他ダム及び貯水池の管理上必要な措置を講ずること。
(1) 法第49条の規定による記録を作成すること。
(2) その他ダム及び貯水池の管理上必要な措置を講ずること。
(体制の解除)
第18条 洪水警戒体制及び洪水体制を維持する必要がなくなったと認められる場合には、これを解除しなければならない。
2 解除したときは、関係機関に対し、その旨を連絡するものとする。
第5章 点検・整備等
(観測及び測定等)
第19条 法第45条の規定による観測又は測定すべき事項は、別表第4に定めるところにより行うものとする。
3 法第45条の規定による観測及び測定の結果は記録しておかなければならない。
(点検及び整備等)
第20条 ダム及び貯水池並びにこれらの管理上必要な機械、器具及び資材は、定期的に点検整備を行うことにより、常時良好な状態に維持しなければならない。
2 洪水、暴風雨又は地震その他これらに類する異常な現象で、その影響がダム又は貯水池に及ぶものが発生した時には、その発生後速やかにダム及び貯水池の点検(貯水池付近の土地形状の変化観測及びダムに係る地山からにじみ出る水の量と貯水池との関係の検討を含む。)を行い、異常な状態が早期に発見されるようにしなければならない。
(異常かつ重大な状態に関する報告)
第22条 ダム又は貯水池に関する異常かつ重大な状態が発見された時は、直ちに関係機関に対し、その旨を報告しなければならない。
第6章 かんがい用水の使用料等
(使用許可の変更)
第24条 かんがい用水の使用許可を受けた者(以下「使用者」という。)は、許可の内容を変更するときは、三河ダムかんがい用水使用許可変更届(様式第4号)を市長に提出しなければならない。
2 市長は、次の各号のいずれかに該当するときは、許可を取り消すことができる。
(1) 使用者が、使用料を納付しないとき。
(2) 使用者が、他の使用者の許可区域の使用を著しく妨げたとき。
(3) その他市長が特に必要と認めるとき。
(使用水量の算定)
第26条 第5条に規定するかんがい期間の前後に流量計の検針を行い、使用水量を算定する。
(使用の制限)
第28条 市長は、干ばつ、施設の補修その他やむを得ない事情があるときは、かんがい用水の使用を制限することができる。
(その他)
第29条 この規則に定めるもののほか、必要な事項は、市長が別に定める。
附則
この規則は、平成27年4月1日から施行する。
別表第1(第7条関係)
三河ダム貯水位~貯水量曲線
貯水容量計算表
別表第2(第10条関係)
放流増加制限曲線
別表第3(第14条関係)
三河ダム警報装置
警報局
警報局の名称 | 警報局の位置 | サイレンの構造又は能力 | 摘要 |
ダム警報局 | 三原市久井町小林(ダム管理所) | スピーカ;50W×4台(2方向) | |
第1―1警報局 | 三原市大和町大草(ダム下流0.4km) | スピーカ;50W×4台(2方向) | |
第1警報局 | 三原市大和町大草(ダム下流1.2km) | スピーカ;50W×4台(2方向) | |
第2警報局 | 三原市大和町大草(ダム下流2.6km) | スピーカ;50W×4台(2方向) | |
第3警報局 | 三原市大和町大草(ダム下流4.0km) | スピーカ;50W×4台(2方向) |
警報表示板
別表第4(第19条関係)
三河ダム観測及び測定項目
観測区分 | 観測項目 | 観測数量 | 観測の位置 | 観測の頻度 | 摘要 | |
方法 | 数量 | |||||
気象 | 降水量 | 自動 | 1 | ダム管理所 | 1回/時 | |
天候 | 目視 | 1 | 1回/日 | |||
気温 | 自動 | 1 | 1回/時 | |||
水象 | 貯水位 | 自動 | 1 | ダム管理所 | 1回/時 | |
流入量 | 自動 | 1 | 1回/日 | 流入量の算定は第7条の規定に基づき算定する。 | ||
取水量 | 自動 | 1 | 1回/日 | |||
放流量 | 自動 | 1 | 放流の都度 | |||
越流量 | 自動 | 1 | 越流の都度 | 洪水吐越流頂標高と貯水位の差(越流水深)で算出。 | ||
堤体 | 漏水量 | 自動 | 2 | ダム管理所 | 1回/時 | |
揚圧力 | 手動 | 8 | 監査廊 | 1回/3月 | ||
間隙水圧 | 自動 | 8 | ダム管理所 | 1回/時 | ||
地震計 | 自動 | 1 | 地震発生時 | |||
鞍部 | 漏水量 | 自動 | 1 | ダム管理所 | 1回/月 | |
間隙水圧 | 自動 | 4 | 1回/時 | |||
堆砂 | 貯水池の堆砂の状況 | 測量 | ― | 貯水池 | 1回/年 |
別表第5(第21条関係)
三河ダム点検項目
1 地震発生直後
(1) 地震発生時間と地震計により観測された震度又は気象庁震度階
(2) 目視によるダム状況
2 臨時点検終了後
(1) ダム本体
ア 漏水の有無及び漏水量の変化
イ コンクリート表面のひびわれ
ウ ダム天端のひびわれ
エ その他
(2) 取付部周辺地山及び貯水池周辺地山
ア 漏水
イ き裂
ウ 崩落
エ 地すべり