○すべての三原市民の人権が尊重されるまちづくり条例

令和5年6月30日

条例第26号

人権とは、誰もが生まれながらに持つ、人間が人間らしく自身の意思で生きていくための誰からも侵されることのない基本的な権利で、私たちの先人たちが築いてきたとても大切な財産です。

日本国憲法では、基本的人権は、侵すことのできない永久の権利であり、すべて国民は法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されないことを定めています。また、世界人権宣言は、すべての人間は生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利について平等であることをうたっており、これらはともに人類普遍の原理です。

しかしながら、私たちが暮らしている社会には、今もなお、同和問題、女性、子ども、高齢者、障害者、外国人、性的指向・性自認等の人権課題が存在し、加えて、情報化の進展に伴い、新たな媒体を介しての差別を助長する掲示や誹謗中傷などが顕在化しています。

私たちは、どんな理由があっても、誰かを差別したり、傷つけたり、いじめることがあってはなりません。すべての市民や事業者は、相手を理解して、尊重し、思いやり、「人権尊重」を自分の事としてとらえ、差別を決して許さない心を育む努力が必要です。

この条例は、すべての市民が差別のない、自分らしく生きることができる、誰一人として取り残さない安心して暮らせるまちをめざす、その礎になるものです。

(目的)

第1条 この条例は、本市における人権尊重のまちづくりに関して、市の責務並びに市民及び事業者の責務を明らかにするとともに、人権意識の高揚及び人権擁護に資する施策(以下「人権施策」という。)の推進について必要な事項を定め、人権課題の解消に取り組むことにより、すべての市民の人権が尊重されるまちを実現することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 市民 市内に居住し、勤務し、又は在学する者をいう。

(2) 事業者 市内に事務所又は事業所を有し、事業を営む個人、法人その他の団体をいう。

(基本理念)

第3条 市民や事業者は、人権尊重のまちづくりはすべての人が基本的人権を持っているかけがえのない個人として尊重されなければならないとの考えの下、差別のない、誰もが真に大切にされるまちを実現することを基本に取り組まなければならない。

(市の責務)

第4条 市は、前条に規定する基本理念(以下「基本理念」という。)に則り、必要となる人権施策を総合的かつ計画的に推進しなければならない。

2 市は、前項の規定による人権施策の推進に当たっては、国、地方公共団体、市民、事業者及び関係機関と連携を図るものとする。

(市民の責務)

第5条 市民は、基本理念に則り、互いの人権を尊重し、自らも人権意識の高揚に努めるとともに、市が実施する人権施策に協力するよう努めなければならない。

(事業者の責務)

第6条 事業者は、基本理念に則り、すべての人の人権を尊重し、事業活動に関わる者の人権意識の高揚を図るとともに、市が実施する人権施策に協力するよう努めなければならない。

(基本計画の策定等)

第7条 市長は、第4条に規定する市の責務を果たすため、人権施策に関する基本的な計画(以下「基本計画」という。)を策定するものとする。

2 基本計画は、基本理念に関する事項のほか、次に掲げる事項について定めるものとする。

(1) 人権教育(人権教育及び人権啓発の推進に関する法律(平成12年法律第147号)第2条に規定する人権教育をいう。)及び人権啓発(同条に規定する人権啓発をいう。)の推進に関する事項

(2) 人権問題に係る相談体制に関する事項

(3) 前2号に掲げるもののほか、人権尊重のまちづくりの推進のために必要な事項

3 市長は、基本計画を策定しようとするときは、あらかじめ第9条に規定する三原市人権施策推進協議会の意見を聴くものとする。

4 市長は、基本計画を策定したときは、これを公表するものとする。

5 前2項の規定は、基本計画の変更について準用する。

(調査研究の実施等)

第8条 市長は、人権施策を効果的に実施するため、情報の収集及び調査研究を必要に応じて行うものとする。

(協議会の設置等)

第9条 市長は、人権が尊重されるまちづくりに係る事項を調査審議させるため、三原市人権施策推進協議会(以下「協議会」という。)を設置する。

2 協議会の委員の定数は15人とし、次に掲げる者のうちから市長が委嘱し、又は任命する。

(1) 市議会の議員

(2) 市の職員

(3) 関係行政機関又は団体の職員又は役員

(4) 人権問題に関し、識見を有する者

3 委員の任期は2年とし、補欠委員の任期は前任者の残任期間とする。ただし、再任を妨げない。

(委任)

第10条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、令和5年10月1日から施行する。

(市長等の附属機関に関する条例の一部改正)

2 市長等の附属機関に関する条例(平成17年三原市条例第29号)を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(経過措置)

3 この条例の施行の際現に市長等の附属機関に関する条例第2条第1項の規定により置かれた三原市人権施策推進協議会の委員に就任している者は、この条例の施行の日に、この条例第9条第2項の規定による委嘱又は任命を受けたものとみなす。この場合において、その委嘱又は任命を受けたものとみなされる者の任期は、同条第3項の規定にかかわらず、なお従前の例による。

すべての三原市民の人権が尊重されるまちづくり条例

令和5年6月30日 条例第26号

(令和5年10月1日施行)