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三原城跡
三原を代表するものといえば「たこ」や「やっさ踊り」などがありますが、今回は、約450年前から築城されたといわれる「三原城」について取材をしました。
皆さんは、かつて三原城がどれだけ大きい城だったのか、ご存知ですか?天主台跡など、現在残っているものは当時のほんの一部だけなんです。
今回は、そんな三原城の魅力をお教えします。
三原城の歴史
三原城は永禄10年(1567年)、毛利元就の三男・小早川隆景によって、大島・小島をつないだ埋め立て地に建てはじめられたと伝わっています。
現在は天主台や舟入櫓の一部しか残っていませんが、当時は、東は湧原川から西は臥龍橋付近まで約900m、南北には約700mもの長さだったといわれています。この中に本丸、二之丸、三之丸があり、櫓が32と城門が14もあるとても大きな城でした。特に天主台は広島城の天守閣が6つも入る日本有数の広さです。
満潮時に城の姿が海に浮かぶように見えたことから別名「浮城」とも呼ばれています。
昔の風景・CG映像はこちら
市重要文化財 紙本著色備後国三原城下絵図 三原市立図書館 所蔵
三原城の今
現在は、駅に隣接している天主台跡のほかに、中門跡、石垣跡、刎跡(はねあと)、船入櫓跡、船入櫓岩礁、が残っています。
インタビュー
広島大学大学院 三浦 正幸教授
1977年東京大学工学部建築学科卒業。1980年広島大学工学部助手を経て、現在、広島大学大学院文学研究科教授。専門は、日本建築史・文化財学。工学博士。著書は、『城の鑑賞基礎知識』(至文堂、1999)、『城のつくり方図典』(小学館、2005)など多数。
滋賀県立大学 中井 均教授
龍谷大学文学部史学科卒業。(財)滋賀県文化財保護協会、米原市教育委員会、長浜城歴史博物館館長を経て、2011年に滋賀県立大学、金沢大学非常勤講師、NPO法人城郭遺産による街づくり協議会理事長として、全国のまちづくりにも関わる。専門は日本考古学、特に中・近世城郭の研究。主な著書は『近江の城-城が語る湖国の戦国史-』(サンライズ出版)、『カラー徹底図解 日本の城』(新星出版)など。
佐賀大学理工学部化学科卒業後、岡山大学医学部付属診療放射線技師学校卒業。広島県立保健福祉大学放射線学科教授、放送大学大学院客員教授を経て、現在、県立広島大学保健福祉学部看護学科教授・県立広島大学大学院総合学術研究科教授。幕末に描かれた三原城の絵図を基に、3次元コンピュータ・グラフィックス(3DCG)で三原城復元映像を作成。
三原城を体感しよう
イベント
★アゼリアガイド
→観光ボランティアガイドのアゼリアガイドの皆さんが、三原のまちを案内してくれます。
★城下町三原散策マップ(PDF)
祭り
★浮城祭り
浮城祭りは、かつて浮き城と呼ばれた三原城をテーマとした祭りで、毎年11月上旬に開催されます。小早川甲冑部隊による旧城下の練り歩きや、「浮城茶会」や特産市などを開催し、やっさ太鼓、やっさ踊りの披露なども行われます。
★やっさ祭り
やっさ踊りは、三原城築城を祝って踊られたのが始まりといわれており、今では、三原を代表する祭りになっています。毎年、8月の第2金・土・日曜日に開催されます。
やっさ踊りの歴史
やっさ踊りの歴史 [その他のファイル/14.34MB]
やっさ祭りの詳しい情報は、やっさ祭り実行委員会HPへ
取材を終えて
三原といえば・・・「三原城」と思いついたのはいいが、三原城については知らないことのほうが多い。そこで、専門家の先生に教えてもらうのが一番だと思い、インタビューをさせていただきました。協力していただいた先生方、ありがとうございました。今回の取材を通して、私自身「三原城」は知っていても、「三原城について」は知らないことばかりだと気づきました。
身近にあるものだからこそ、皆さんも一度、じっくり三原の歴史について調べてみませんか。
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