○三原市犯罪被害者等支援条例

令和6年12月20日

条例第32号

(目的)

第1条 この条例は、犯罪被害者等基本法(平成16年法律第161号)を踏まえ、本市における犯罪被害者等の支援に関し、基本理念を定め、市、市民等及び事業者の責務を明らかにするとともに、犯罪被害者等を支援するための施策の基本となる事項を定めることにより、犯罪被害者等が受けた被害を軽減し、及び回復するため、犯罪被害者等の生活の再建を図り、並びに犯罪被害者等を地域社会全体で支え、もって市民が安心して暮らすことができる地域社会の実現に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 犯罪等 犯罪及びこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす行為をいう。

(2) 犯罪被害者等 市内に住所又は居所を有する者であって、犯罪等により害を被ったもの及びその家族又は遺族をいう。

(3) 市民等 市内に住所又は居所を有する者及び市内に存する事業所に勤務する者又は学校に在学する者並びに市内において活動(事業活動を除く。)を行う団体をいう。

(4) 事業者 市内において事業活動を行う団体又は個人をいう。

(5) 関係機関等 国、他の地方公共団体、警察、犯罪被害者等の支援を行う民間の団体(以下「民間支援団体」という。)その他の犯罪被害者等の支援をする機関又は団体をいう。

(6) 二次被害 犯罪被害者等が、犯罪等による直接的な被害以外に、周囲の者の配慮に欠ける言動、風評、インターネットその他の通信手段を通じて行われる誹謗ひぼう中傷、報道機関(報道を業として行う個人を含む。)による過剰な取材及び報道等により被る精神的な苦痛、心身の不調、プライバシーの侵害、経済的な損失その他の害をいう。

(基本理念)

第3条 犯罪被害者等の支援は、次に掲げる事項を基本理念として行われるものとする。

(1) 犯罪被害者等の個人としての尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい処遇を保障される権利が尊重されるよう配慮して行われること。

(2) 犯罪被害者等が平穏な生活を取り戻すまでの間、犯罪被害者等が受けた被害又は二次被害の状況及び原因、犯罪被害者等が置かれている状況その他の事情に応じ、適切に途切れることなく行われること。

(3) 市、市民等、事業者及び関係機関等が相互に連携し、及び協力して行われること。

(市の責務)

第4条 市は、前条の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、関係機関等との適切な役割分担を踏まえて、犯罪被害者等の支援に関する施策を策定し、及び実施する責務を有する。

(市民等の責務)

第5条 市民等は、基本理念にのっとり、犯罪被害者等が置かれている状況及び支援の必要性についての理解を深め、二次被害を生じさせ、又は犯罪被害者等を地域社会において孤立させることのないよう努めるとともに、市が実施する犯罪被害者等の支援のための施策に協力するよう努めるものとする。

(事業者の責務)

第6条 事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動を行うに当たっては、犯罪被害者等が置かれている状況及び支援の必要性についての理解を深め、二次被害を生じさせることのないよう十分に配慮するとともに、市が実施する犯罪被害者等の支援のための施策に協力するよう努めるものとする。

2 事業者は、基本理念にのっとり、その雇用する者が犯罪被害者等になったときは、当該犯罪被害者等が、その受けた被害を早期に軽減し、及び回復し、並びに当該被害に係る刑事に関する手続に適切に関与し、並びに行政手続その他の手続を適切に行うことができるよう、当該犯罪被害者等の勤務について十分に配慮するよう努めるものとする。

(相談及び情報の提供等)

第7条 市は、犯罪被害者等が日常生活又は社会生活を円滑に営むことができるようにするため、犯罪被害者等が直面している様々な問題について相談に応じ、必要な情報の提供及び助言並びに関係機関等との連絡調整を行うものとする。

(犯罪被害者等見舞金の支給)

第8条 市は、犯罪被害者等に対して、経済的負担の軽減を図るため、規則で定めるところにより、犯罪被害者等見舞金を支給することができる。

(居住の安定)

第9条 市は、犯罪等又は二次被害により従前の住居に居住することが困難になった犯罪被害者等の居住の安定を図るため、必要な支援を行うものとする。

(雇用の安定)

第10条 市は、犯罪被害者等の雇用の安定を図るため、関係機関等と連携し、犯罪被害者等が置かれている状況について、事業者の理解を深めるための機会の確保、就業の支援その他必要な支援を行うものとする。

(安全の確保)

第11条 市は、犯罪被害者等が更なる犯罪等による被害及び二次被害を受けることを防止し、その安全を確保するため、関係機関等と連携し、一時的な保護、犯罪被害者等に係る個人情報の適切な取扱いの確保その他必要な支援を行うものとする。

(その他支援)

第12条 市は、犯罪被害者等が早期に平穏な日常生活又は社会生活を円滑に営むことができるようにするため、関係機関等と連携し、犯罪被害者等の心身の状況に応じた適切な保健医療サービス及び福祉サービスの利用につながるよう必要な支援を行うものとする。

(啓発活動の推進)

第13条 市は、関係機関等と連携して、犯罪被害者等が置かれている状況、二次被害の発生の防止の重要性その他犯罪被害者等の支援に関する事項について、市民等及び事業者が理解を深めることができるよう必要な啓発活動を行うものとする。

(民間支援団体等への支援)

第14条 市は、民間支援団体その他の犯罪被害者等の支援に関係するものに対して、その活動を促進するため、情報の提供その他必要な支援を行うものとする。

(支援の制限)

第15条 市は、犯罪被害者等が犯罪を誘発した場合その他犯罪被害者等の支援を行うことが社会通念上適切でないと認められる場合は、この条例で定める犯罪被害者等の支援を行わないことができる。

(委任)

第16条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

この条例は、令和7年4月1日から施行する。

三原市犯罪被害者等支援条例

令和6年12月20日 条例第32号

(令和7年4月1日施行)