○福山市と三原市との間における連携中枢都市圏形成に係る連携協約

平成27年3月25日

県知事届出

(目的)

第1条 この連携協約は、福山市及び三原市が、福山市及び三原市の区域における事務を協力して処理することにより、福山市、三原市、尾道市、府中市、世羅町、神石高原町、笠岡市及び井原市の区域で構成される圏域(以下「圏域」という。)全体の経済成長をけん引するとともに、住民が安心して豊かな暮らしを営むことができる圏域の形成に資することを目的とする。

(基本方針)

第2条 福山市及び三原市は、前条に規定する目的を達成するため、別表の取組の欄に掲げる取組の区分に応じ、同表の内容の欄に定める事務を協力して実施し、相互に連携を図るものとする。

(役割分担及び費用分担)

第3条 福山市及び三原市が実施する前条に規定する事務の役割分担及び費用分担については、別表の内容の欄に掲げる事務の区分に応じ、それぞれ同表の福山市の役割分担及び費用分担の欄及び三原市の役割分担及び費用分担の欄に定めるとおりとする。

2 前項に定めるもののほか、福山市及び三原市の役割分担及び費用分担に関し特に必要があると認めるときは、福山市及び三原市が協議して定める。

(連絡会議)

第4条 福山市長及び三原市長は、この連携協約の推進に関し連絡調整を図るため、1年に1回以上、連絡会議を開くものとする。

(失効)

第5条 福山市又は三原市が、この連携協約の失効を求める場合は、あらかじめ地方自治法第96条第2項に基づく議会の議決を経てその旨を相手方に通告するものとする。

2 この連携協約は、前項の規定による通告があった日から起算して2年を経過した日にその効力を失うものとする。

別表(第2条、第3条関係)

取組

内容

福山市の役割分担及び費用分担

三原市の役割分担及び費用分担

1 圏域全体の経済成長のけん引

(1) 圏域全体の産業振興の仕組みづくり

ア 成長戦略のフォローアップ

成長戦略の進行管理、「びんご圏域活性化戦略会議」の運営、事業の評価と見直し等を行う。

成長戦略の進行管理等のため、関係会議の運営、各種データの分析や資料の作成等、各事業の評価と見直し等に取り組む。

事業実施に必要な費用を負担する。

関係会議への参加や資料作成等に協力するとともに、各事業の評価と見直し等に協力して取り組む。

イ 備後圏域産業連関表の作成・活用

圏域全体の産業振興に資する備後圏域産業連関表を作成し、活用する。

備後圏域産業連関表の作成(基礎調査を含む。)に取り組む。また、より効果的な活用に向け、研修等を実施する。

事業実施に必要な費用を負担する。

備後圏域産業連関表の作成に係る基礎調査等に協力して取り組む。

ウ 産業支援拠点機能の充実

産学金官が連携し、企業の経営革新、技術革新、人材育成等、圏域における産業振興に必要な拠点機能の充実に取り組む。

基礎調査を始め、拠点機能の充実に向けた具体的な事業の企画や実施に取り組む。

事業実施に必要な費用を負担する。

基礎調査等に協力するとともに、事業の実施に向け連携して取り組む。

(2) 中小企業事業者等への支援

ア 中小企業事業者のイノベーション等の推進

異分野異業種の合同研修や中小企業の経営改善、大学又は様々な業種とのマッチング等を進めるびんご産業支援コーディネーターの育成や活動支援等に取り組む。

研修会やマッチングを目的としたイベント等の実施、びんご産業支援コーディネーターの育成や活動支援、全体調整等に取り組む。

事業実施に必要な費用を負担する。

研修会やイベント等に参加するとともに、びんご産業支援コーディネーターの活動支援を始め、その他の事業実施に協力して取り組む。

びんご産業支援コーディネーターの派遣に係る費用については、利用実態に応じて負担する。

イ 女性の創業支援

産学金官で連携することにより、女性が働きやすく、創業できる環境整備に取り組む。

福山市商業施設を利活用して、創業に向けた環境整備や各種セミナー、啓発講座等の実施に取り組む。

事業実施に必要な費用を負担する。

会議や研修会に参加するとともに、事業実施に協力して取り組む。

ウ 地域の産業集積による競争力向上

圏域の企業が、ものづくり技術を活かし、ご長寿産業等の新たな分野への参入や新たな製品開発に取り組むことができるよう支援する。

ものづくり企業のご長寿産業参入等に向けた可能性についての調査・研究や企業への研修等に取り組む。

事業実施に必要な費用を負担する。

調査・研究、会議や研修会に参加するとともに、事業実施に協力して取り組む。

エ 雇用対策

圏域の市町が連携し、若者や女性、高齢者、障がい者の就労支援等、雇用の促進に取り組む。

福山市東京事務所を活用し、Uターン、Iターン及びJターン(以下「UIJターン」という。)の推進等、圏域における就職支援に取り組む。また、産学金官で連携し、インターンシップ等効果的な就労支援策の調査・研究等を行う。

事業実施に必要な費用を負担する。

福山市東京事務所を活用し、就職情報を発信するとともに、就労支援策の調査・研究等、事業実施に協力して取り組む。

(3) 第1次産業の活性化

ア 6次産業化の推進

圏域内の地域資源を活用した農林水産業の新たな付加価値の創出を図る6次産業化を推進することで、雇用創出や地域経済の活性化に取り組む。

売れる地域資源を見つけて地域ブランドへと磨き上げることのできる人材を活用し、市場調査等マーケティングの実施や新商品の開発支援等、6次産業化の推進体制の構築に取り組む。

事業実施に必要な費用を負担する。

調査・研究等に参加するとともに、体制整備等の事業実施に協力して取り組む。

福山市と協議し、必要に応じて、個別の商品開発の支援等に係る費用について負担する。

イ 第1次産業振興のための環境整備

第1次産業の担い手の確保や生産基盤の整備等に取り組むとともに、地域間連携・異業種間連携による瀬戸内の小魚の地域ブランド化等を推進する。

圏域内流通の促進や、マーケティングの市場調査、生産者への経営的視点の導入・支援等に取り組む。

事業実施に必要な費用を負担する。

圏域内流通の仕組みづくりや調査・研究等に参加するとともに、事業実施に協力して取り組む。

(4) 戦略的な観光振興

ア 戦略的な観光振興

圏域内の観光資源を見つめ直すことで、圏域全体の魅力に磨きをかけ、圏域外からも多くの観光客を引き付ける取組を推進する。

圏域内の地域資源を整理し、広域観光ルートの研究や設定、観光客の受入体制の整備、効果的なプロモーション等に取り組む。

事業実施に必要な費用を負担する。

各地域の地域資源を整理し、広域観光ルートの調査・研究やプロモーション、観光客の受入体制の整備等の事業実施に協力して取り組む。

福山市と協議し、必要に応じて、事業実施に係る費用を負担する。

2 高次の都市機能の集積

(1) 高度医療の充実や強化

ア 高度な医療サービスの提供

圏域内で完結できる医療提供体制の確立を目指し、医療連携の促進と圏域全体の医療の質の向上に取り組む。

福山市民病院の救命救急センターやがん医療等、高度医療の提供体制の充実に努める。また、圏域の公立病院等の医療機関との連携強化を図るとともに、医師・看護師の確保、教育・研修の充実等に取り組む。

事業実施に必要な費用を負担する。

圏域内で完結できる医療提供体制の構築や医療連携、医師・看護師の確保、教育・研修の充実等に協力して取り組む。

医師や看護師の確保に係る取組について、福山市と協議し、必要に応じて費用を負担する。

(2) 広域的な都市基盤の整備

ア 広域的な都市基盤の整備

備後圏域の将来の発展を見据え、公共交通網の整備等、圏域全体の住民の利便性の向上や企業の拠点強化につながる都市基盤の整備に取り組む。

都市機能等の立地に関する計画策定、広域的な公共交通網の整備や公共施設のあり方の調査・研究に取り組むとともに、広域的な調整を行う。

事業実施に必要な費用を負担する。

調査・研究に参加するとともに、事業実施に協力して取り組む。

(3) 高等教育機能の充実や強化

ア 次世代の人材育成に向けた高等教育の充実

大学や研究機関、企業等と連携し、圏域のシンクタンク機能を高めることで、幅広い分野で圏域の発展を支える人材の育成に取り組む。

大学間連携、高大連携、産学金官連携等、多様な主体との連携を通じて、調査・研究や研修会、セミナー等を開催する等、地域社会や企業のニーズに対応できる人材育成に取り組む。

事業実施や研究等に係る費用を負担する。

調査・研究に参加するとともに、事業実施に協力して取り組む。

3 圏域全体の生活関連機能サービスの向上

(1) 医療や福祉サービスの充実

ア 地域医療の充実

地域医療の充実を図るため、各医療機関のネットワークの強化や機能に応じた役割分担、救急医療体制等の連携強化を促進する。

救急医療体制の充実や、福山市民病院の医師による公立病院への診療支援等に取り組む。また、県や関係機関と連携して医療機関相互のネットワークの強化等を促進する。

事業実施に必要な費用を負担する。

救急医療体制の充実や医療機関相互のネットワークの強化等に協力して取り組む。

福山市と協議し、必要に応じて、事業実施に係る費用を負担する。

イ 高齢者や障がい者等の福祉の充実

高齢者や障がいのある人等が、いつまでも住み慣れた地域で生き生きと暮らすことができる環境整備を推進する。

医療と介護の連携強化に向けた関係者会議や研修会、情報交換会の開催、専門性の高い相談支援体制や質の高いサービスの提供の環境整備等に取り組む。

事業実施に必要な費用を負担する。

関係者会議や研修会、情報交換会への参加や開催支援、認知症高齢者等への支援に協力して取り組む。

福山市と協議し、必要に応じて、事業実施に係る費用を負担する。

ウ 子育て支援の充実

産前産後の母子を支援する取組や発達に課題のある子どもへの支援等に取り組み、圏域における子育て支援サービスの向上に向けた環境整備を進める。

こども発達支援センターの共同運営、関係者会議等の開催や各種支援制度の充実に向けた研究に取り組む。

こども発達支援センターの運営に係る費用については、地方自治法第252条の14の規定に基づく規約の定めるところによるものとする。

その他、事業実施に必要な費用を負担する。

こども発達支援センターの共同運営、その他の取組の周知や利用促進等、各種事業の企画や実施に協力して取り組む。

こども発達支援センターの運営に係る費用については、地方自治法第252条の14の規定に基づく規約の定めるところによるものとする。

その他の事業については、福山市と協議し、必要に応じて費用を負担する。

エ 健康づくりの推進

健康寿命の延伸や広域的な健康づくり等に取り組む。

健康寿命の延伸に向けた調査・研究、関係者会議や研修会等を実施するとともに、広域的な健康づくりの推進に取り組む。

 事業実施に必要な費用を負担する。

調査・研究、関係者会議や研修会等に参加するとともに、事業実施に協力して取り組む。

福山市と協議し、必要に応じて、事業実施や研究等に係る費用を負担する。

(2) 広域化による住民サービスの向上

ア 災害に関する安心・安全の確保

圏域における「災害時の相互応援に関する協定書」に基づき、広域的な連携による復旧支援等、圏域住民の安心や安全の確保に取り組む。

圏域における防災体制の充実を図るため、連携強化に向けた事業実施に取り組む。

事業実施に必要な費用を負担する。

連携強化に向けた事業実施に協力して取り組む。

福山市と協議し、必要に応じて、事業実施に係る費用を負担する。

イ 環境に配慮した循環型社会の構築

環境への負荷の少ない低炭素・循環型社会を構築するための広域的な取組等、地球にやさしい環境づくりを推進する。

廃棄物の広域的処理を検討するための会議の開催や、圏域の市町、企業、団体等への「ベスト運動」を始めとした活動の周知・啓発に取り組む。

事業実施に必要な費用を負担する。

会議に参加するとともに、事業実施に協力して取り組む。

福山市と協議し、必要に応じて、事業実施に係る費用を負担する。

ウ 行政サービスの向上

共同利用可能な情報システムの整備に向けた調査・研究等を行うとともに、地域の課題解決や新たな価値の創出に資する情報を公開するための仕組みづくりに取り組む。

共同利用可能な情報システムの整備や地域の課題解決等のための仕組みづくりに向け、会議の開催や調査・研究等に取り組む。

事業実施や研究等に係る費用を負担する。

会議に参加するとともに、調査・研究等に協力して取り組む。

福山市と協議し、必要に応じて、事業実施や研究等に係る費用を負担する。

(3) 地域活性化の推進

ア 農林水産物を活用した地域活性化

圏域内の農林水産物を地域の産直市や学校給食等に活用することで、安心で安全な食の確保、地産地消・食育等の推進に取り組むとともに、道の駅等を活用した地域活性化に取り組む。

圏域内の農林水産物の供給・流通の仕組みや、特産品開発、道の駅等の活用に係る調査・研究やネットワークの構築について検討する。また、地域活性化につながる事業に取り組む。

事業実施や研究等に係る費用を負担する。

調査・研究や地元産品の活用についての検討その他の地域活性化につながる事業実施に協力して取り組む。

福山市と協議し、必要に応じて、事業実施や研究等に係る費用を負担する。

イ 公共交通体系とデマンド交通の検討

住民の移動手段を確保するため、圏域における公共交通体系と圏域の市町のデマンド交通の在り方の研究に取り組む。

 圏域における公共交通体系と圏域の市町のデマンド交通の在り方の研究に必要な会議等を運営し、圏域の市町のデマンド交通との調整を行う。

 事業実施に必要な費用を負担する。

会議等に参加するとともに、調査・研究に協力して取り組む。

福山市と協議し、必要に応じて、事業実施や研究等に係る費用を負担する。

ウ 大学を活用した地域活性化

圏域内の大学等と協力し、地域課題の解決や賑わいの創出に向けた事業について研究を行う。

地域住民と大学との協働による地域課題の解決や、大学等による地域活性化につながる取組について支援する。

事業実施に必要な費用を負担する。

大学等と連携した地域課題の解決や地域活性化につながる取組について協力する。

福山市と協議し、必要に応じて、事業実施に係る費用を負担する。

(4) 定住促進

ア 備後圏域定住促進事業

圏域外からの住民の移住を促進するため、UIJターンの希望者に対するPR活動を始め、学生を対象としたインターンシップの実施等、移住促進に取り組む。

大都市圏での定住フェアの開催や情報発信等に取り組む。また、空き家の実態調査を始め、広域的な空き家バンク制度の検討等にも取り組む。

事業実施や調査等に必要な費用を負担する。

定住フェアに参加するとともに、空き家バンク制度等の定住施策の検討に協力して取り組む。

福山市と協議し、必要に応じて、事業実施や調査等に係る費用を負担する。

(5) 圏域マネジメント能力の強化

ア 人材の育成と人材ネットワークの構築

生涯学習等を通じて、地域の課題解決や魅力発信につながる人づくり・地域づくりを推進する。

自治体職員については、合同研修や交流により資質の向上に取り組む。

人づくり・地域づくりに関係する会議、合同研修の開催や仕組みづくりに取り組む。

事業実施に必要な費用を負担する。

会議や合同研修に参加するとともに、事業実施に協力して取り組む。

福山市と協議し、必要に応じて、事業実施に係る費用を負担する。

福山市と三原市との間における連携中枢都市圏形成に係る連携協約

平成27年3月25日 県知事届出

(平成27年3月25日施行)